韓国・台湾の製造業PMI上昇、中国の回復が寄与
12月2日、韓国や台湾などアジア主要製造国・地域の経済活動が拡大している。台湾・台中の工場で昨年11月撮影(2024年 ロイター/Ann Wang)
[2日 ロイター] - 韓国や台湾などアジア主要製造国・地域の経済活動が拡大している。中国の製造業が景気支援策や駆け込み輸出などを受けて回復していることが背景だ。
財新/S&Pグローバルが2日発表した11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.5と前月の50.3から上昇し、5カ月ぶりの高水準となった。
S&Pグローバルがまとめた11月の韓国製造業PMIは50.6と、前月の48.3から上昇。景気拡大・縮小の分かれ目となる50を上回った。
台湾の製造業PMIも50.2から51.5に上昇した。
ANZのシニア中国ストラテジスト、Xing Zhaopeng氏は、中国の景気回復は主に輸出が主導していると指摘。
「中国国家統計局のPMIと財新PMIの新規輸出受注を見ると、バイヤーが発注を急いでいることが分かる。ただ、国家統計局の非製造業PMIは50で、内需は依然弱い」と述べた。
中国では多くの輸出業者が米国や欧州連合(EU)の追加関税導入を控え、主要市場への輸出を急いでいる。トランプ次期米大統領は中国など主要貿易相手国に高率の関税を課す方針を示している。
アジアの他の地域では状況が悪化。PMI統計によると、東南アジアではインドネシアとマレーシアの製造業の縮小ペースが加速。タイとベトナムでも製造業の拡大ペースが鈍化している。