OPECプラス、需要低迷で自主減産縮小をさらに延期か=関係筋
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は12月1日に開く閣僚級会合で、有志国による自主減産の縮小をさらに延期する可能性がある。5月28日、ウィーンで撮影(2024年 ロイター/Leonhard Foeger)
Alex Lawler
[ロンドン 20日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は12月1日に開く閣僚級会合で、有志国による自主減産の縮小をさらに延期する可能性がある。世界的に石油需要が低迷しているため。事情に詳しい3人の関係筋が明らかにした。
関係筋やアナリストの話では、需要が弱いため生産量を引き上げるにはリスクがある一方、一部の加盟国が増産する意向を示している中で供給を大幅に減らすのは難しい。
OPECプラスは11月3日の会合で、12月から予定していた自主減産の縮小を1カ月延期することで合意した。
関係筋の1人は自主減産縮小の延期について「加盟国の中で人気のある措置とは言えないが、(来年の)第1・四半期まで延期することに強い反対意見は出ないだろう」と述べた。
ただ2人の関係筋は、OPECプラスがどのような決定を下すかについて言及するのは時期尚早だと話した。
国際エネルギー機関(IEA)の統計に基づくロイターの推計では、世界の石油供給に占めるOPECプラスのシェアは現在48%と、2016年の結成以降で最低となっている。16年当時のシェアは55%強だった。
こうしたシェアの低下を背景に、OPECプラスは早かれ遅かれ米国などのライバル勢に価格戦争を仕掛けるとの臆測が浮上している。OPECは14年から15年にかけ、米国のシェール企業を市場から締め出すため、増産に踏み切った。
だがエナジー・アスペクツのリチャード・ブロンズ氏は「こうした価格戦争の臆測は行き過ぎた見方だと思う。15―16年当時とは異なりOPECプラスは、米国などOPEC非加盟国の生産が急速に落ち込むことはないと認識している」と述べた。
一方、アラブ首長国連邦(UAE)など一部のOPECプラス加盟国は減産ではなく増産する意向が強いため、生産量の大幅な引き下げで合意できる公算は小さい。