英で農業従事者の大規模デモ、農地相続増税に抗議
英国議会周辺で19日、スターマー政権が打ち出した「トラクター税」と呼ばれる農地の相続税増税計画の廃止を求める農業従事者の大規模な抗議活動を行われた。写真は11月19日、ロンドンで撮影(2024年 ロイター/Hollie Adams)
Sarah Young
[ロンドン 19日 ロイター] - 英国議会周辺で19日、スターマー政権が打ち出した「トラクター税」と呼ばれる農地の相続税増税計画の廃止を求める農業従事者の大規模な抗議活動を行われた。
問題となっているのは、10月に政府が発表した予算案に盛り込まれた、相続税における農地の扱い。現行の相続税では、農地などの農業資産は100%の控除を受けられるが、財源確保を目指すスターマー政権は、100万ポンドを超える農地に2026年以降、20%の相続税を課すとした。
デモ参加者は、「農民がいなければ食糧もなく、未来もない」、「農民を傷つけるスターマー」などと書かれたプラカードを掲げ、トラクター税廃止を訴えた。警察は約1万人が参加したとしている。
農家は、土地や機械の資産価値は高いが、農場自体の利益率が低いため、相続税を払うために土地の売却を迫られることになると話す。
政府は課税は最も価値の高い農場のみを対象とし、農村が依存する公共サービスの資金源に充てるものだと説明している。