2026年のCOP31誘致、豪とトルコが互いに譲らず協議は平行線
11月19日、2026年に開催される国連気候変動枠組み条約第31回締結国会議(COP31)の誘致を表明しているオーストラリアとトルコは、互いに譲る意向を見せておらず、協議は平行線をたどっている。オーストラリアのクリス・ボーウェン気候変動・エネルギー担当相。バクーで撮影(2024年 ロイター/Maxim Shemetov)
Kate Abnett Gloria Dickie Ali Kucukgocmen
[バクー 19日 ロイター] - 2026年に開催される国連気候変動枠組み条約第31回締結国会議(COP31)の誘致を表明しているオーストラリアとトルコは、互いに譲る意向を見せておらず、協議は平行線をたどっている。
両国とも22年からCOP31の開催国として名乗りを上げていたが、アゼンルバイジャンの首都バクーで開かれている今年の締結国会議(COP29)で、COP31の開催地問題が大きく注目されることになった。
オーストラリアのクリス・ボーウェン気候変動・エネルギー担当相は15日、COP31の自国開催で合意に至ることを期待してトルコを訪問したが、トルコの当局者は立候補撤回を拒否したため、話し合いが続いている。
締結国会議の開催国は交渉で歩み寄りを仲介する重要な役割を担う上、交渉の最終段階でも舵を取ることが求められる。これにより開催国は外交面の威信を高めるとともに、自国のグリーン産業を促進する世界的なプラットフォームを構築できる。
トルコのファトマ・バランク環境都市気候変動副大臣はロイターにCOP31の開催について、同国が地中海沿岸に位置しているため、各国の派遣団が航空機で移動する際に排出される温室効果ガスを減らすことができると指摘。またトルコは自国の石油・ガス産業の規模がオーストラリアより小さいと強調した。
これに対しボーウェン氏は「わが国は以前から化石燃料の輸出国だったという事実は否定しないが、再生可能エネルギーを輸出するための変革局面にある」と反論。またオーストラリアは気候変動に対して脆弱な太平洋島しょ国に影響する問題を提起する「太平洋版COP」に取り組んでいると説明した。
トルコは2021年のCOP26開催を名乗り出たが、その後辞退して開催を英国に譲る格好となった。バランク氏は、トルコが再び辞退することに否定的な見解を示した。
一方でドイツやカナダ、英国などはCOP31のオーストラリア開催を支持。フィジーなどの太平洋島しょ国の首脳も、海岸の浸食や海面上昇といった気候問題への取り組みを強化することを条件に、オーストラリアを支持すると表明している。