欧州、ロシアのハイブリッド攻撃非難 ケーブル切断巡り調査開始
欧州各国は11月19日、ウクライナを支援する西側諸国に対しロシアがハイブリッド攻撃を激化させていると非難した。バルト海で18日までに2本の海底光通信ケーブルが切断状態になったことを受け、バルト諸国は破壊工作の可能性を含め調査を開始した。写真は2015年10月、ヘルシンキの海岸で、バルト海の海底に通信ケーブルを敷設するケーブル船。Lehtikuva/Heikki Saukkomaa提供写真(2024年 ロイター)
Andrius Sytas Barbara Erling Johan Ahlander
[ストックホルム/ワルシャワ 19日 ロイター] - 欧州各国は19日、ウクライナを支援する西側諸国に対しロシアがハイブリッド攻撃を激化させていると非難した。バルト海で18日までに2本の海底光通信ケーブルが切断状態になったことを受け、バルト諸国は破壊工作の可能性を含め調査を開始した。
欧州当局者はケーブル切断を巡りロシアを直接非難はしていないが、ドイツやポーランドなどは破壊工作の可能性が高いと指摘。リトアニアは軍による海域監視を強化した。
英仏独伊・ポーランドの外相は「北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)諸国に対するロシアのエスカレートするハイブリッド活動は、その多様性や規模において前例がなく、重大な安全保障リスクを生み出している」とする声明を発表した。
ポーランドのシコルスキ外相はワルシャワで欧州外相らと会談後、「ロシアが欧州で破壊工作をやめなければ、ポーランドは国内に残るロシア領事館を閉鎖する」と述べた。
ドイツのピストリウス国防相も「ケーブルが誤って切断されたとは誰も思っていない」とし、「まだ分からないが、破壊工作だと推定する必要がある」と述べた。
一方、EUの外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は、誰かの責任を指摘するのは時期尚早だとし、より慎重な姿勢を示した。
ロシアは欧州のインフラに対する破壊工作を繰り返し否定している。