中国主席、独首相にEV関税問題の解決要請 リオで首脳会談
ドイツのショルツ首相(右)は19日、20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれているブラジルで中国の習近平国家主席(左)と会談した。18日撮影(2024年 ロイター/Ricardo Moraes)
Andreas Rinke
[リオデジャネイロ 19日 ロイター] - ドイツのショルツ首相と中国の習近平国家主席が19日、20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれているブラジルのリオデジャネイロで会談した。ロシアによるウクライナ侵攻などが議題に上った。
国営中国中央テレビ(CCTV)によると、習主席はショルツ首相に対し、中国製の電気自動車(EV)に対する欧州連合(EU)の追加関税問題の早期解決に向け支援を求めた。
習主席は、ドイツと協力して総合的な戦略的パートナーシップを強化する用意があると述べた後、EVの関税問題を取り上げた。これはEUと中国の間で大きな争点となっており、貿易戦争が起こる可能性が高まっている。
中国国営新華社の報道によると、習主席は欧州と中国が対話と交渉を通じてEVの問題を早期に解決するとの期待感を表明し、ドイツ側はこれに積極的に取り組む意思を示したという。
EUは先月、中国製EVに対する関税を最大45.3%まで引き上げることを決定。中国商務省は「この決定に賛同せず、受け入れない」と表明していた。
また会談では、ショルツ首相が習主席に対し「誰も隣人を恐れる必要はない。これは世界平和の非常に中心的な原則であり、われわれはそれに尽力している」と述べた。隣人とはウクライナ、あるいは台湾を指している可能性がある。
ショルツ首相はまた、経済協力に対するドイツの関心も強調。「あらゆる立場の企業の経済活動に公平な競争条件を課すことが重要であり、それが将来の協力関係の中心的な条件となる」と述べた。