国連安保理、北朝鮮ミサイル巡り協議 米「中ロが制裁回避支援」
国連安全保障理事会は4日、緊急会合を開催し、北朝鮮による10月31日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を巡り協議した。 写真はロバート・ウッド米国連代理大使。8月撮影(2024年 ロイター/David 'Dee' Delgado)
Michelle Nichols
[4日 ロイター] - 国連安全保障理事会は4日、緊急会合を開催し、北朝鮮による10月31日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を巡り協議した。
米国は、ロシアと中国が北朝鮮を「恥知らずにも保護」し、国連制裁のさらなる違反を助長していると非難。「北朝鮮は、ロシアと中国の庇護によって制裁違反の監視を逃れ、違法な弾道ミサイル、核兵器、大量破壊兵器計画を推進し続けることが可能となった」(ロバート・ウッド米国連代理大使)とした。
韓国の黄浚局国連大使も、ロシアと中国が北朝鮮の大量破壊兵器計画の抑制を目的とした国連安保理の制裁実行を妨害していると述べた。
一方、北朝鮮の金星国連大使は「敵対的な核保有国によるいかなる脅威にも対抗するため」核戦力の増強を加速させると表明。「米国の核の脅威は、その規模と危険性の点ですでに危機的状況に達している。米国の無謀な行動により、潜在的な状況は戦争の瀬戸際に近づいている」と反論した。
ロシアと中国も米国の非難に反発。安全保障理事会のアプローチの見直しを求めている。
ロシアのアンナ・エフスティグネエワ国連次席大使は、4日の会合を招集した米国、フランス、日本、マルタ、韓国、スロベニア、英国が北朝鮮を「悪者扱い」して「効果のない制裁措置を維持し」、米国と地域の同盟国による「攻撃的な措置」を正当化していると非難した。
その上で「この危険な行き詰まりから抜け出し、状況をこれ以上悪化させないためには、安保理が根本的にアプローチを見直しなければならないことを改めて指摘したい」とした。
中国の傅聡国連大使は、安保理は分裂ではなく団結を必要としており、対話を促進すべきと指摘。「安保理は(朝鮮)半島問題で建設的な役割を果たし、単に制裁や圧力を課すのではなく、事態の緊張緩和と相互信頼の強化に向けた具体的な措置を講じるべきだ」と述べた。