マスク氏、現金配布を巡る「脅し」に屈しない=弁護士
米大統領選を巡って実業家イーロン・マスク氏(写真)が、オンラインの請願書に署名した激戦州の登録有権者を対象に現金を配っている行為が問題視される中、マスク氏の弁護士は4日、「脅し」には屈しないと述べた。5月撮影(2024年 ロイター/David Swanson)
[4日 ロイター] - 米大統領選を巡って実業家イーロン・マスク氏が、オンラインの請願書に署名した激戦州の登録有権者を対象に現金を配っている行為が問題視される中、マスク氏の弁護士は4日、「脅し」には屈しないと述べた。
共和党候補のトランプ前大統領を支持するマスク氏は、「言論の自由と銃所持の権利」を支持するオンライン請願書に署名した有権者に対し、10月19日から投票日まで毎日1人に抽選で100万ドルを贈っている。対象は、大統領選の行方を左右するアリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシンの激戦7州に限定している。
このうちペンシルベニア州の判事が、これに関する審問を4日に設定した。同州フィラデルフィアの地方検事(民主)が10月下旬、消費者保護を定めた州法に違反する違法な抽選だとして、マスク氏ならびに同氏が設立に携わったスーパーPAC(特別政治活動委員会)「アメリカPAC」を州裁判所に提訴した。地方検事は、トランプ氏の集会に参加した2人が現金を受け取ったことを例に挙げ、「実際には無作為に選ばれていない」と指摘している。
マスク氏の弁護士クリス・ゴバー氏は4日、記者団に「法的議論を装った党派的な思惑により、権利を踏みにじることは許されない」とし、「真実が脅かされることはないし、私の依頼人も同様だ」と述べた。
マスク氏側は、訴訟は連邦裁判所が管轄すべきだと訴えたものの、フィラデルフィア連邦裁判所の判事は1日、この案件は州裁判所が管轄すべきと判断した。
米司法省は、今回の行為が連邦法に抵触する恐れがあるとして「アメリカPAC」に警告しているが、公的な措置は取っていない。専門家の間でも、違法かどうかを巡る意見は割れている。