パリでレバノン支援国際会議、早期の停戦は期待薄
フランスのパリで24日、レバノン支援に関する国際会議が開かれ、同国のミカティ暫定首相(左)は停戦に向けた協力を要請した。マクロン仏大統領と23日撮影。(2024年 ロイター/Stephanie Lecocq/File Photo)
John Irish Maya Gebeily
[パリ 24日 ロイター] - フランスのパリで24日、レバノン支援に関する国際会議が開かれ、同国のミカティ暫定首相は停戦に向けた協力を要請した。しかし米国は高官の派遣を見送り、大統領選も近いことから、近く停戦が実現する公算は小さい。
会議には約70カ国と15の国際機関の代表が集まり、少なくとも5億ユーロの人道援助を集め、停戦を推進することを目指している。だが米国は独自の外交努力に注力しており、外交官らは具体的な進展はほとんど期待できないと語った。
ミカティ氏は「われわれが現在目撃している嵐は、他のどんな嵐とも異なる。わが国だけでなく、あらゆる人間の価値に対する完全な破壊の種を運んでいるからだ」と述べた。
その上で新兵を含む軍隊の強化や、破壊されたインフラの再建のために、国際的な支援が必要だと呼びかけた。
マクロン仏大統領は会議冒頭、レバノンが過去に戻ることはなく、平和維持に失敗した国連安全保障理事会の決議を完全に実施する必要があると強調した。
「レバノンでは停戦が必要だ。被害や犠牲者、攻撃が増えてもテロを終わらせることはできず、全ての人の安全確保もできない」と訴えた。
パリ会議の焦点は、2006年のイスラエルによるレバノン侵攻を終結させた安保理決議に基づいて、停戦を実現させることにある。
しかし米国のブリンケン国務長官は会議を欠席し、和平に向けて中東歴訪を続けた。地域大国のサウジアラビアはレバノン問題への関与に消極的で、次官を派遣するにとどまった。
パリ会議を批判したイスラエルのネタニヤフ首相は招かれず、イランも招待されなかった。
マクロン氏はフランスが1億ユーロ(1億800万ドル)の支援を行うと述べた。ドイツは9600万ユーロを拠出すると表明した。仏外務省によると、今回の会議では少なくとも5億ユーロを集め、最大100万人の避難民を食料、医療、教育面で支援することを目指している。
レバノンは危機に対処するために毎月2億5000万ドルが必要だとしている。