ニュース速報
ワールド

トルコの宗教指導者ギュレン師が米で死去、クーデター未遂首謀疑惑

2024年10月21日(月)16時59分

 トルコ政府が2016年のクーデター未遂事件の首謀者とするイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師(写真)が10月20日、在住していた米国で死去した。ペンシルベニア州セイラーズバーグで2017年7月撮影(2024年 ロイター/Charles Mostoller)

[イスタンブール 21日 ロイター] - トルコ政府が2016年のクーデター未遂事件の首謀者とするイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師が20日、在住していた米国で死去した。トルコメディアなどが21日伝えた。83歳だった。

ギュレン師の説教を掲載するウェブサイトはXで、同師が治療を受けていた病院で20日夕方に亡くなったと投稿した。

ギュレン師は国内外でイスラム運動を展開し、一時はエルドアン大統領の盟友とされたが、その後決裂して1999年から米国に亡命生活を送っていた。晩年はエルドアン大統領に対するクーデター未遂を主導した疑いが持たれたが、同師は否定していた。

支持者によると、ギュレン師は西洋式の教育、自由市場、異宗教間の対話を促進する穏健なイスラム教の普及を目指し、影響力は国内のみならず、中央アジアやバルカン半島などにも広がった。

だが、エルドアン大統領はクーデター未遂後、ギュレン師の支持者を国の組織から一掃することが重要だと主張。ギュレン師に関連する数百の学校、企業、メディア、団体を閉鎖し、資産を差し押さえた。

ギュレン師の支持者をターゲットにした取り締まりでは、少なくとも7万7000人が逮捕され、教師、裁判官、兵士など15万0000人の国家公務員が停職処分を受けた。

ギュレン師の国内組織は解体され、国際的な影響力も低下した。

同師はクーデター未遂を「最も強い言葉で」非難し「過去50年間に何度も軍事クーデターで苦しんだ者として、このような企てに関係していると非難されるのは、特に侮辱的だ」と述べていた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国がロシア大使呼び抗議 北朝鮮兵派遣は「違法な軍

ビジネス

超長期債中心に円債積み増し、ヘッジ外債は横ばい=太

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で学校や避難所襲撃 男性を拘

ワールド

台湾輸出受注、9月は予想下回る前年比+4.6% 中
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選 決戦前夜の大逆転
特集:米大統領選 決戦前夜の大逆転
2024年10月22日号(10/16発売)

米大統領選を揺るがす「オクトーバー・サプライズ」。最後に勝つのはハリスか? トランプか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料を1ウォンも払わず 「連絡先分からず」と苦しい言い訳
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が始まって以来「最大規模」の超巨大爆発だった
  • 4
    「常軌を逸している」 トランプ、選挙集会で見せた「…
  • 5
    グロズヌイ「巨大爆発」の瞬間映像...「戦時」の不安…
  • 6
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 7
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 8
    トランプが、娘から露骨に顔を背けて「完全無視」...…
  • 9
    騒然!中国がCCTV「台湾侵攻」番組で伝えた想定展開…
  • 10
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料を1ウォンも払わず 「連絡先分からず」と苦しい言い訳
  • 4
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 5
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 6
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画…
  • 7
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 8
    『シビル・ウォー』のテーマはアメリカの分断だと思…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 5
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 8
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 9
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 10
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中