中国がリチウム過剰供給、「略奪的」価格下落で競合排除=米次官
10月8日、米国のホセ・フェルナンデス国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)は訪問先のポルトガルで、中国の生産会社が競合を排除するために重要な金属であるリチウムを世界市場に大量に供給し、「略奪的な」価格下落を引き起こしていると述べた。写真は中国江西省宜春市のリチウム鉱山。昨年3月撮影(2024年 ロイター)
Sergio Goncalves
[リスボン 8日 ロイター] - 米国のホセ・フェルナンデス国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)は訪問先のポルトガルで、中国の生産会社が競合を排除するために重要な金属であるリチウムを世界市場に大量に供給し、「略奪的な」価格下落を引き起こしていると述べた。
ポルトガルはリチウムの埋蔵量が豊富。
フェルナンデス氏は7日夜のブリーフィングで、中国は「世界が現在必要としている量をはるかに上回る」リチウムを生産していると指摘。「略奪的な価格設定を行い、競争がなくなるまで価格を下げている。それが今起きていることだ」と述べた。
中国は主に電気自動車(EV)などのバッテリー技術に使用されているリチウム化学品の世界生産の約3分の2を占める。リチウムの価格は中国の過剰生産とEV需要の落ち込みを主な背景に過去1年で80%以上下落している。
フェルナンデス氏は、低価格は「サプライチェーン(供給網)を世界規模で多様化するわれわれの能力を制約する」と述べ、これらの産業を発展させるための投資を必要とするポルトガルのような国々にも打撃を与えると指摘した。