24年度の米財政赤字、コロナ禍以降で最大に 議会予算局が試算
10月8日、米議会予算局(CBO)は、2024年度の米連邦政府の赤字が1兆8340億ドルに達するとの推計値を公表した。米首都ワシントンで2023年9月撮影(2024年 ロイター/Jonathan Ernst)
David Lawder
[ワシントン 8日 ロイター] - 米議会予算局(CBO)は8日、2024年度の米連邦政府の赤字が1兆8340億ドルに達するとの推計値を公表した。国債利払い費が急増し、社会保障や高齢者向け公的医療保険「メディケア」などの歳出が拡大することでコロナ禍以降で最大となる見通し。
この試算は、今月末の米財務省の年末予算報告に先立つもので、赤字額は23年度の1兆7000億ドルから11%増加しているが、CBOの6月試算の1兆9000億ドルよりは少ない。
民主党の大統領候補ハリス副大統領は、共和党候補のトランプ前大統領よりも財政責任を果たすと主張し、新たな歳出を他の増税で完全に相殺すると公約している。
超党派シンクタンクの「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」は7日、トランプ氏が公約に掲げる税制・歳出計画は、ハリス氏の計画の2倍以上の新規債務を生み出す可能性があるとの見方を示した。
CRFBは、ハリス氏の税制・支出計画では10年間で3兆5000億ドル赤字が拡大すると推計。一方、トランプ氏の計画では約2倍の7兆5000億ドルになるとした。
21─22年に景気が回復し、新型コロナの救済支出が減少したため、財政赤字は大幅に減少したが、過去2年間では急拡大している。現行法に変更がないと仮定した「ベースライン」の赤字は今後10年間で22兆ドル増加するとCBOは推計する。