ロシアの穀物収穫、ウクライナ戦闘と悪天候で打撃=農相
ロシアのルート農相は7日、穀物収穫を巡り、国境付近の生産地域に対するウクライナによる攻撃と他地域での悪天候で打撃を受けるとの認識を示した。7月撮影(2024年 ロイター/Sergey Pivovarov)
[モスクワ 7日 ロイター] - ロシアのルート農相は7日、穀物収穫を巡り、国境付近の生産地域に対するウクライナによる攻撃と他地域での悪天候で打撃を受けるとの認識を示した。国営ロシア通信(RIA)が伝えた。
ルート氏は、シベリアでの天候不順を踏まえて予測を算出中と述べた上で「対テロ作戦体制が取られた地域では収穫できないことを考慮している」と戦闘が収穫に与える影響を初めて公に認めた。
穀物の主要生産地であるベルゴロド州とブリャンスク州は、ウクライナ軍による攻撃を受けているほか、ウクライナ軍は依然としてクルスク州の広範囲を支配している。
ロシアは世界有数の小麦輸出国で、2024年の穀物収穫量の公式予測は1億3200万トン。23年の1億4800万トンから11%減、22年の1億5800万トンから16%減となる水準だ。
しかし、多くの穀物生産地域で早春の霜や干ばつ、雨といった悪条件が重なり、予測は下方修正される見通しだ。コンサルタント企業IKARは今年の穀物収穫量を1億2450万トンとみている。ロシアの穀物収穫量が予想を下回るとの懸念から、ここ数カ月の国際価格は上昇。小麦は先週、4カ月ぶりの高値となった。
ルート氏は今年の収穫の最終推計値は今月10日に発表予定と述べた。また、干ばつが続いて多くの地域で冬作物の種まきに支障を来しかねないとも言及した。