イランハッカー、盗んだトランプ陣営資料をバイデン陣営に送付か
9月18日、米連邦捜査局(FBI)などの政府機関は共同声明で、イランのハッカー集団が今年6、7月、当時米大統領選の民主党候補だったバイデン大統領の陣営関係者らに対し、共和党候補であるトランプ前大統領から盗んだ資料を含む電子メールを送ってきたことを明らかにした。ミシガン州デトロイトで7月12日撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz)
Costas Pitas Kanishka Singh
[18日 ロイター] - 連邦捜査局(FBI)などの米当局は18日に出した共同声明で、イランのハッカー集団が今年6─7月、当時米大統領選の民主党候補だったバイデン大統領の陣営関係者らに対し、共和党候補トランプ前大統領の陣営から盗んだ資料を含む電子メールを送っていたと明らかにした。
大統領選に影響を及ぼすのが狙いで、米メディア企業にも6月以来、同様の内容を送り続けているという。盗まれた資料についての詳細は明らかにされていない。
共同声明を発表したのはFBIのほか、サイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁(CISA)と国家情報長官室。
声明によると、ハッカー集団は6月末と7月初め、トランプ陣営から盗んだ資料をテキスト形式でバイデン陣営の複数の個人に一方的に送りつけてきた。
米国は8月、バイデン氏に代わって民主党候補になったハリス副大統領とトランプ氏、双方の陣営にイランがサイバー攻撃を仕掛けたと批判。政治的な不和をあおるため、米国民を標的にした介入も行っていると指摘していた。イランはこれを否定している。
イランの国連常駐代表部は18日、今回の米国の発表内容について「基本的に根拠がなく、まったく許容できない」と表明。「イランには米国の選挙に干渉する動機も意図もない」とした。
トランプ陣営は、ハリス氏とバイデン氏はこうした資料をトランプ氏を「傷付ける」ために使ったかどうかについて公表すべきだ、との声明を出した。
トランプ氏は18日夜の集会で、イランが民主党を支援するために自身の陣営をハッキングしたと述べ、外国による選挙干渉だと訴えた。
ハリス陣営の報道官は声明で「何らかの資料が陣営に直接送られてきたとは承知していない」と説明した。