中国、来年1月から定年引き上げへ 年金財政逼迫を緩和
中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、法定退職年齢の引き上げに向けた草案を承認した。新華社通信が13日伝えた。写真は2021年5月、上海で撮影(2024年 ロイター/Aly Song)
Farah Master
[香港 13日 ロイター] - 中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、法定退職年齢の引き上げに向けた草案を承認した。新華社通信が13日伝えた。
中国政府は7月、多くの省における年金財政の逼迫を緩和するため、退職年齢を段階的に引き上げる方針を示していた。
現在、法定退職年齢は、男性が60歳、女性はホワイトカラーが55歳、工場労働者は50歳と、世界的に見てかなり低い。[nL6N3KT06F]
来年1月1日からは、男性の定年は63歳に、ホワイトカラーの女性は58歳に、工場労働者の女性は55歳に、それぞれ引き上げられる。
中国の平均寿命は1960年の約44歳から2021年には78歳に延び、50年には80歳を超えると予測されており、改革が急がれる。同時に、高齢者を支えるために必要な労働人口は減少している。
定年引き上げで人々がより長く働くようになれば、年金財政の逼迫緩和につながるが、年金の支給を遅らせたり、年配者に長く働くよう求めることは、全ての労働者に歓迎されるとは限らない。
ANZの中国担当シニアストラテジスト、Xing Zhaopeng氏は、今回の改革について、短期的な経済への影響はないだろうが、長期的には早期の労働力不足を回避し、安定した生産性の伸びを維持するのに役立つと指摘した。