オランダ首相、対中輸出規制巡る決定でASMLの利益考慮へ
8月30日、オランダのシューフ首相(写真)は、ASML製半導体製造装置の対中輸出規制強化について決定する上で、同社の経済的利益を考慮する考えを示した。写真はオランダのハーグで5月撮影(2024 ロイター/Piroschka van de Wouw)
[ハーグ 30日 ロイター] - オランダのシューフ首相は30日、ASML製半導体製造装置の対中輸出規制強化について決定する上で、同社の経済的利益を考慮する考えを示した。
ASMLの対中輸出に関する規制強化の可能性について問われたのに対し「良い協議を行っており、同時にASMLの経済的利益にも注意している。他のリスクに照らして検討する必要があり、経済的利益は極めて重要だ」と述べた。
「オランダにとってASMLは非常に重要かつ革新的な産業で、いかなる状況でも被害を被るべきでない。そうなれば同社の世界的地位が打撃を受ける」と語った。
オランダが同社の中国事業にさらなる制限を加える見通しとしたブルームバーグ・ニュースの報道にはコメントを控えた。
中国はASMLにとって台湾、韓国に次ぐ3番目に大きな市場で、中国企業は現在の受注残の約2割を占めている。既存の規制により、中国半導体メーカーは規制対象でない旧型のASML製装置を主に購入している。
オランダ政府がこれまでに導入した規制は、ASMLのハイエンド製品についてライセンスを義務付けている。これとは別に、米政府は2023年10月、ASMLに対し、製品レンジの中位に近い一部装置の輸出を独自に制限し始めた。