香港裁判所、メディア元編集者に有罪判決 「扇動的な記事掲載」
香港の裁判所は29日、扇動的な記事を共謀して掲載したとして、現在は発信停止となっているオンラインメディア「立場新聞」の元編集者2人に有罪判決を言い渡した。判決後に裁判所を出る元編集長の鍾沛権氏、29日撮影。(2024年 ロイター/Tyrone Siu)
Jessie Pang James Pomfret
[香港 29日 ロイター] - 香港の裁判所は29日、扇動的な記事を共謀して掲載したとして、現在は発信停止となっているオンラインメディア「立場新聞」の元編集者2人に有罪判決を言い渡した。
9月26日に言い渡される量刑では最長2年の禁錮に処される可能性がある。1997年に香港が英国から中国に返還されて以来、ジャーナリストや編集者が扇動罪で有罪となったのは初めて。
検察側は立場新聞について、「違法」なイデオロギーを宣伝する政治的プラットフォームとして機能し、中国政府と香港政府に対する読者の憎悪を扇動したと訴えていた。
一方、元編集者である鍾沛権、林紹桐の両氏は無罪を主張。米国政府などは、中国に支配された香港では数年にわたって国家安全保障に基づく弾圧が行われ、メディアの自由が悪化しているとして、この裁判を批判していた。
批判的な論調で知られた立場新聞は2021年12月に警察の家宅捜索を受け、資産を凍結されて閉鎖に追い込まれた。