EUでイスラエル閣僚制裁案、「ヘイトメッセージ」理由に
8月29日、EUの外相に当たるボレル外交安全保障上級代表(写真)は、パレスチナ人に対する「ヘイトメッセージ」が国際法に違反しているとして、イスラエルの閣僚数人に制裁を科すかどうかをEU加盟国に問う手続きに入ったと明らかにした。写真はハノイで7月撮影(2024年 ロイター/Francesco Guarascio)
[ブリュッセル 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は29日、パレスチナ人に対する「ヘイトメッセージ」が国際法に違反しているとして、イスラエルの閣僚2人に制裁を科すことをEU加盟国に提案したと明らかにした。
この日のEU外相理事会で議論を開始したという。ボレル氏は、制裁を科すために必要な全会一致の合意は得られなかったが、議論は続くだろうと述べた。
ボレル氏は具体的な閣僚の名前やメッセージの中身には触れなかったが、ここ数週間以内にベングビール国家治安相とスモトリッチ財務相のコメントを「悪質」などと公に批判している。
EUの制裁は一般的に、EUへの渡航禁止と域内の資産凍結を意味する。
外交筋によると、EU加盟国から全会一致の合意を得られる可能性は低い。
しかし、ボレル氏の提案はイスラエル閣僚に対する一部欧州当局者の怒りの大きさを示しており、EUで最も親パレスチナの加盟国の一つであるアイルランドはボレル氏の提案を支持すると表明した。
イスラエルのカッツ外相は、ボレル氏が、パレスチナ人のヨルダン川西岸からの追放をカッツ氏が求めたという虚偽の主張をしたと非難。「私はいかなる住民の追放にも反対だ」と述べた。