米中首脳、近く電話会談を計画 訪中の米補佐官が習主席と面会
8月29日、中国の習近平国家主席は、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と会談した。写真は握手を交わす習主席とサリバン氏。北京で代表撮影(2024年 ロイター
Trevor Hunnicutt
[北京 29日 ロイター] - 中国を訪問しているサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は29日、習近平国家主席と会談し、11月の米大統領選を前に両国間の緊張緩和を目指した3日間にわたる一連の協議を終えた。
習氏は北京の人民大会堂での会談の冒頭、中国は米国との安定した関係を築くことに尽力していると語った。
「変化し混乱するこの世界では、各国に必要なのは団結と協調であり、排除や後退ではない」と訴えた。
中国国営メディアによると、習氏は「中米関係の安定的、健全かつ持続可能な発展への中国の取り組みは変わらない」と述べ、両国が世界平和の安定の源となり、共通の発展の原動力となるべきだと語った。また「米国が中国と同じ方向で取り組むことを期待する」と表明した。
サリバン氏は、バイデン大統領が中国との関係を管理し、競争が紛争につながらないようにする方針だと述べた。「バイデン大統領は数週間以内に習主席と対話するのを楽しみにしている」と語った。
会談終了後、ホワイトハウスは、数週間後に両首脳の電話会談を行う方向で両国が計画を進めていると表明。サリバン氏と習氏の会談では台湾問題、ウクライナ戦争、南シナ海問題などが協議されたと述べた。
サリバン氏は会見で、14時間にも及んだ協議で台湾、南シナ海、ロシアなど様々な懸案について議論したと指摘。いくつかの問題では依然として大きな隔たりが残っており、南シナ海問題では新たな合意には至らず、経済安全保障と通商問題では譲歩があったと述べた。米国の選挙については議論しなかったという。
米政府高官によると、今週のサリバン氏と中国側の協議では、話し合いが長時間に及ぶこともあったが、フィリピンに対する南シナ海での中国の行動など、一部の問題で大きな溝が溝が残った。
サリバン補佐官は国家主席との面会に先立ち、中国軍制服組トップの張又侠・中央軍事委員会副主席とも会談した。