米航空局、ファルコン9に再び飛行停止 ブースター炎上着陸で
米連邦航空局(FAA)は28日、実業家イーロン・マスク氏が率いる米宇宙開発企業スペースXの主力ロケット「ファルコン9」に飛行停止措置を取ったと発表した。停止は今年2度目。写真は米フロリダ州で26日に撮影したファルコン9(2024年 ロイター/Joe Skipper)
Joey Roulette
[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦航空局(FAA)は28日、実業家イーロン・マスク氏が率いる米宇宙開発企業スペースXの主力ロケット「ファルコン9」に飛行停止措置を取ったと発表した。停止は今年2度目。
発射後に衛星通信網「スターリンク」を軌道に乗せる通常作業は成功したものの、再利用できる第1段ブースターが地球帰還時の着陸時に炎上、失敗したことが要因。
FAA広報担当者は「海上のドローン船に着陸する際、ブースターが故障したことに伴う事故だ」と指摘。一般人や公共物が被害を被ったとの報告は受けていないという。
FAAは、今回の事故を重くみており、徹底的に調査しなければ将来に大きなリスクをもたらす恐れがあると判断。スペースXにFAA監視下での調査実施を求めた。
スペースXによると、今回事故が起きたブースターの飛行は23回目だった。
ファルコン9は、旧西側諸国の多くが衛星や人間を宇宙に送り込むため頼っている。ただ、7月にFAAから2016年以来となる飛行停止措置を受けたばかり。この時は宇宙空間で第2段ブースターが故障しスターリンク衛星群に損傷を及ぼした。
スペースXは、宇宙船クルードラゴンに民間宇宙飛行士4人が搭乗して初の宇宙遊泳に挑む「ポラリスドーン」計画を進めている。今回のブースター着陸失敗により、打ち上げが先延ばしになる可能性が出てきた。
ファルコン9は9月下旬に宇宙船クルードラゴンを打ち上げる予定。米ボーイングの新宇宙船スターライナーに搭乗して国際宇宙ステーション(ISS)に到着した米航空宇宙局(NASA)飛行士2人を乗せて地球に来年帰還させる計画だ。
2人はスターライナー機体への安全性懸念からISSに残って帰れずにいる。今回のファルコン9の飛行停止措置が帰還計画に影響を及ぼすのかどうかは不明だ。NASAにコメントを求めたが即座の返答が見送られた。