紅海航行船舶の保険プレミアム約2倍、フーシ派攻撃受けた原油流出で
イエメンの親イラン武装組織フーシ派の攻撃を受けた石油タンカーで先週発生した火災により原油流出リスクが高まっていることを受け、紅海を航行する船舶の戦争保険リスクプレミアム(リスク相当分の上乗せ料)が約2倍に上昇している。写真は紅海でフーシ派の攻撃を受けて火災が発生した石油タンカー「スニオン」。25日撮影(2024年 ロイター/EUNAVFOR ASPIDES/Handout via REUTERS)
Jonathan Saul
[ロンドン/アデン 28日 ロイター] - イエメンの親イラン武装組織フーシ派の攻撃を受けた石油タンカーで先週発生した火災により原油流出リスクが高まっていることを受け、紅海を航行する船舶の戦争保険リスクプレミアム(リスク相当分の上乗せ料)が約2倍に上昇している。業界筋が匿名を条件に28日明らかにした。
米国防総省の報道官は27日、先週紅海でフーシ派の攻撃を受けて火災が発生したギリシャ船籍の石油タンカー「スニオン」について、鎮火しておらず、新たに原油の流出が生じているようだと明らかにした。
これを受け、紅海を通航する船舶の保険リスクプレミアムは攻撃前の0.4%から0.75%に上昇した。
原油流出による環境懸念も高まっている。国連は昨年公表した報告書で、大規模な原油流出事故が起きれば、イエメン沖の紅海沿岸の漁業コミュニティが壊滅し、「コミュニティ全体が生命を脅かす有毒物質にさらされることになる」と警鐘を鳴らしていた。