ニュース速報
ワールド

シリコンバレーのハリス氏支持者、中絶の権利や親テック政策要望

2024年08月28日(水)20時09分

28日に公表された調査によると、米大統領選で民主党候補のハリス副大統領を支援するベンチャーキャピタリストらは、女性の生殖に関する権利、気候変動、新興企業に対するより友好的な姿勢などを優先事項として挙げた。22日撮影。(2024年 ロイター/Mike Segar/File Photo)

Jeffrey Dastin

[サンフランシスコ 28日 ロイター] - 28日に公表された調査によると、米大統領選で民主党候補のハリス副大統領を支援するベンチャーキャピタリストらは、女性の生殖に関する権利、気候変動、新興企業に対するより友好的な姿勢などを優先事項として挙げた。

7月に公開された「カマラのためのベンチャーキャピタル(VC)」と題した書簡には、グレーロック社のリード・ホフマン氏や、コースラ・ベンチャーズのビノッド・コースラ氏ら約800人が署名した。このうち225人が匿名で調査に回答し、ハリス氏を支持する理由と賛同する政策について述べた。

人工妊娠中絶の権利を認めたロー対ウェイド判決を覆した最高裁の判断について、225人のほぼ全員が間違いだったとの認識を示した。

書簡をまとめたグラハム・アンド・ウォーカーのレスリー・フェインザイグ最高経営責任者(CEO)は「これは社会問題ではない。実際はビジネス上の問題だ」と指摘した。

回答者の62%が男性、66%が白人で、年齢は主に35歳から64歳。調査主催者によると、支持政党を問う質問はなかったが、自ら明らかにした回答者のうち民主党支持者が70%で、30%が共和党支持または無党派だった。

調査によると、約97%が「効果的な規制を設けるために、人工知能(AI)や暗号資産(仮想通貨)などの技術に精通した」リーダーを求めている。また、約92%が米政府は技術に精通した人材の採用を増やす必要があると考えている。

ロイターは起業家らに取材し、シリコンバレーのハリス氏支持者が同氏に何を望んでいるのかを探った。

起業家で「リーン・スタートアップ」の著者でもあるエリック・リース氏はAIに関して、「軍事面と民間面で何をすべきか、何が起こるかを知っている最も賢い人材が政府に必要だ」と語った。

クラウドコンピューティングを手がけるBoxのアーロン・レビーCEOは、現時点での規則はまだ成熟していない基礎的なAIモデルより技術の応用に重点を置くべきだと述べた。 「規制は長期的にはこの業界とAIにおけるわれわれのリーダーシップにとって重要な方向性を定めることになるだろう」とし、移民も同様だと語った。 調査の回答者の約94%が、政府は専門技術を有する外国人向け査証(ビザ)「H-1B」をもっと活用し、ハイテク企業が海外から人材を獲得できるようにすべきと答えた。 調査結果とインタビューによると、新興企業が株式を公開したり身売りしたりしやすくすることも求めている。

シリコンバレーの一部では、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどを訴えた米連邦取引委員会(FTC)に対する不満の声も聞かれる。 ホフマン氏やメディア業界の大物バリー・ディラー氏はこれまでに、ハリス氏がカーン委員長を交代させることを望むと述べている。 ブロックチェーン決済を手がけるリップル・ラボの創業者クリス・ラーセン氏は、暗号資産企業を訴えた証券取引員会(SEC)のゲンスラー委員長らの名前を挙げ、ハリス氏が政府の「反企業的な姿勢」を和らげてほしいと語った。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:トランプ陣営、激戦州勝利へ賭けの戦略 照準は

ワールド

トランプ氏、移民強制送還を表明 オハイオの「ペット

ビジネス

米国株式市場=続伸、FRB大幅利下げ期待で小型株が

ビジネス

USスチール買収審査、23日が期限 90日延期も可
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    クルスク州「重要な補給路」がHIMARSのターゲットに.…
  • 7
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 8
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 9
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 10
    ロック界のカリスマ、フランク・ザッパの娘が語る「…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 5
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 6
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 9
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 10
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 10
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中