ニュース速報
ワールド

ビオセレスの遺伝子組み換え小麦、安全な国内栽培可能=米農務省

2024年08月28日(水)10時03分

 米農務省は8月27日、アルゼンチンの農業バイオテクノロジー企業ビオセレス・クロップ・ソルーションズが開発した遺伝子組み換え小麦「HB4小麦」について、栽培やパン製造を米国内で安全に行うことができるとの認識を示した。写真はHB4の種を示す技術者。2022年7月、アルゼンチンのロサリオで撮影(2024年 ロイター/Agustin Marcarian)

Tom Polansek

[シカゴ 27日 ロイター] - 米農務省は27日、アルゼンチンの農業バイオテクノロジー企業ビオセレス・クロップ・ソルーションズが開発した遺伝子組み換え小麦「HB4小麦」について、栽培やパン製造を米国内で安全に行うことができるとの認識を示した。

HB4は遺伝子組み換えにより干ばつへの耐性が高い小麦。米小麦協会によると、ビオセレスは農地での試験栽培などさらに手順を踏む必要があり、本格的な市場導入には数年かかる見込み。ただ、農務省のお墨付きが得られたことで米国内での生産が実現に近づいた。

遺伝子組み換え小麦は、消費者の一部から懸念の声が上がっているものの、雨不足や不順な天候の頻発に苦しむ農家から支持を得られる可能性がある。

ビオセレスは5月にアルゼンチン国内で遺伝子組み換え小麦の種子の販売を開始し、この技術の商業利用が世界で初めて可能になったと発表した。

遺伝子組み換え作物を使った食品の安全性を審査する米食品医薬品局(FDA)は2022年にビオセレスの小麦についての審査を終了している。

ビオセレスはナイジェリア、ブラジル、コロンビア、インドネシア、南アフリカの当局から食品および飼料用としての承認を取得済みで、アルゼンチンとブラジルでは既にHB4小麦が栽培されている。米国産小麦の主な輸入国であるメキシコ、フィリピン、日本などでは承認が得られていない。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、移民強制送還を表明 オハイオの「ペット

ビジネス

米国株式市場=続伸、FRB大幅利下げ期待で小型株が

ビジネス

USスチール買収審査、23日が期限 90日延期も可

ワールド

ハリス氏、19日にライブ配信イベント 著名司会者ウ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    クルスク州「重要な補給路」がHIMARSのターゲットに.…
  • 7
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 8
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 9
    ロック界のカリスマ、フランク・ザッパの娘が語る「…
  • 10
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...い…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 5
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 6
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 9
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 10
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 10
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中