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ロシア軍、国境防衛強化 ウクライナの越境攻撃受け

2024年08月15日(木)23時47分

8月15日、ロシア西部クルスク州のスミルノフ知事代行は、ウクライナの越境攻撃を受けて、新たにグルシュコフ地区で住民の避難が始まったと述べた。画像はクルスク州Vnezapnoeで、ロシア国旗を降ろす武装した人物。14日にソーシャルメディアで公開された映像から(2024年 ロイター)

Guy Faulconbridge Maxim Rodionov

[モスクワ 15日 ロイター] - ロシアは15日、ウクライナによる西部クルスク州への越境攻撃を受け、国境防衛と指揮統制を強化し、追加部隊を派遣することを発表した。

ロシアのベロウソフ国防相は、軍参謀本部がウクライナと国境を接するクルスク州、ブリャンスク州、ベルゴロド州の防衛に向け一連の措置を準備しているとした上で、「他の法執行機関と提携し、指揮統制システムの有効性を高める方法について協議している」と述べた。

これに先立ちロシア軍司令官は、ウクライナによる西部クルスク州への越境攻撃について、1つの集落を奪還したが、ウクライナ軍が押し寄せてきていると述べた。

現地でウクライナ軍と戦っているロシア南部チェチェン共和国の特殊部隊「アフマート」のアラウディノフ司令官がロシア国営テレビに述べた。

同司令官は、ロシア軍がウクライナとの国境から約18キロメートルの地点で1つの集落を奪還したと表明。「動くもの、見つけることができたもの全て燃やした」と語った。

ウクライナ軍はロシア領内にさらに部隊を送り込んでいるが、別の戦線地区では資源の変化でウクライナ軍が弱体化していると指摘。

その上で「敵は押し寄せてきている。あらゆるところから侵入し、押し切ろうとしている」とし、ウクライナ軍が依然として主導権を握っていることを認めた。ただ「敵は日に日に消えつつある」とも述べた。

ウクライナ経由で欧州に天然ガスを輸出するパイプラインの中継拠点があるスジャについてはウクライナの完全な支配下にはないと発言。ウクライナ側は14日、完全な支配下に置いたと表明している。

<住民の避難拡大>

クルスク州のスミルノフ知事代行は15日、ウクライナの越境攻撃を受けて、新たにグルシュコフ地区で住民の避難が始まったと述べた。

同地区の人口は2万人。ロシアのデータによると、これまでに少なくとも20万人がウクライナとの国境地帯から避難している。

ウクライナは今月6日に越境攻撃を開始。兵士数千人がロシア領内に入った。その後、一部の集落を制圧し、現在は国境から約18キロメートルの地点で戦闘が続いている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、同国軍が数キロメートル前進し、捕虜の「交換の蓄え」を補充するという目標が達成されつつあると述べた。

ロシア国防省は15日、西部ベルゴロド州上空でウクライナのドローン(無人機)を撃墜したと表明。クルスク州でウクライナ軍の陣地を空爆したことも明らかにした。また、ウクライナ国内の前線で激しい戦闘が行われており、ロシア軍が一部の地点で優位に立っているとも述べた。

ロシア政府高官は、ウクライナの越境攻撃でも戦争の流れは変わらないと発言。ロシアは現在、ウクライナ領の18%を支配している。

<西側の武器供与>

英国国防省は15日、ウクライナ軍はロシア領内での作戦において英国の兵器を使用できるが、長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」の使用については制限するとの見解を示した。

ロシアの戦争勝利を阻止すべく対ウクライナ軍事支援を表明している西側諸国は、ウクライナによるロシアへの越境攻撃計画については何も把握していなかったと繰り返し主張。これに対しロシア当局は、そのような発言を信じていないと述べた。

ロイター
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