ニュース速報
ワールド

EU、ロシア資産の凍結延長を議論 対ウクライナ融資に活用

2024年07月25日(木)09時58分

 7月24日、欧州連合(EU)諸国が、ロシア中央銀行の資産に対する制裁期限の延長について協議したことが、草案や複数の外交関係者の話で分かった。2022年撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

Jan Strupczewski Julia Payne

[ブリュッセル 24日 ロイター] - 欧州連合(EU)諸国が24日、ロシア中央銀行の資産に対する制裁期限の延長について協議したことが、草案や複数の外交関係者の話で分かった。主要7カ国(G7)によるウクライナ融資に活用したい考え。

G7とEUは6月、ロシア凍結資産の利子収入を活用し、同国から侵攻を受けるウクライナに500億ドルの融資を行うことで合意した。

約3000億ドルに上る資産の大部分はEU内の金融機関で保管されており、その大半がベルギーにある。制裁期限を6カ月間延長には、EU諸国による全会一致の承認が必要となる。

EU外交筋によると、米国を含む一部のG7メンバーは、EUが全会一致でまとまらず、ウクライナへの融資が危うくなると懸念する。

EUはこの日、G7の懸念を和らげようと二つの案を議論した。一つは、ロシア中銀の資産を凍結する制裁の「無期限」延長。草案では「これは明確に定められた基準(侵略戦争の終結と再発防止の保証、ロシアによる賠償金の支払いなど)に基づき、定期的に(例えば12カ月ごとに)欧州理事会によって見直されるものとする」と説明された。

もう一つは、制裁期限の最大3年間の延長だ。いずれの案もEU諸国の全会一致が必要なのは同じで、適用範囲はロシア中銀資産に限られる。

EU外交筋によれば、協議は初期段階であるものの、一部の国からはいずれかの案に賛意をほのめかす声が上がったという。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア国営TV、米有権者をトランプ氏に誘導か=米情

ワールド

アングル:ハリス対トランプ」TV討論会、互いに現状

ワールド

SNS、ロシア影響下疑惑の投稿にほぼ未対応

ワールド

アングル:サウジに「人権問題隠し」批判、eスポーツ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 4
    「私ならその車を売る」「燃やすなら今」修理から戻…
  • 5
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 6
    世界に400頭だけ...希少なウォンバット、なかでも珍…
  • 7
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 8
    「自由に生きたかった」アルミ缶を売り、生計を立て…
  • 9
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 10
    「冗長で曖昧、意味不明」カマラ・ハリスの初のイン…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 5
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 8
    無数のハムスターが飛行機内で「大脱走」...ハムパニ…
  • 9
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 10
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中