ハンガリー、EU基金の払い戻し阻止へ ロシア産原油輸送再開なければ
7月23日、ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相(写真)は、ウクライナが同国の領域を通るパイプライン経由でのロシア石油大手ルクオイルの原油輸送を許可するまで、欧州連合(EU)がウクライナに軍需品を供与した加盟国に対して行う払い戻しを阻止する考えを示した。写真はロシアのモスクワで5日撮影(2024 ロイター/Evgenia Novozhenina)
[ブダペスト 23日 ロイター] - ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相は23日、ウクライナが同国の領域を通るパイプライン経由でのロシア石油大手ルクオイルの原油輸送を許可するまで、欧州連合(EU)がウクライナに軍需品を供与した加盟国に対して行う払い戻しを阻止する考えを示した。
スロバキアとハンガリーは今月初め、パイプライン経由でのルクオイルからの原油供給の受け入れを停止したと発表した。ウクライナが先月、ルクオイルからの原油輸送を禁止したためだ。
ハンガリーのエネルギー省は23日、供給の安全保障に関する作業部会を招集した。同省は声明で、「これまで講じてきた対策を見直し、今後取るべき対策を検討していく」と述べた。
シーヤールトー氏は、地元テレビ局ATVに対し、「ウクライナがこの問題を解決しない限り、欧州平和ファシリティー(EPF)から拠出する65億ユーロ規模のウクライナ軍事支援に関する払い戻しは忘れるべきだ」と強く訴えた。
EPFは2021年に創設され、EU加盟国が他国に軍需品を供与した場合、資金が還付されるキャッシュバック制度としての役割を果たしている。
ロシアが22年にウクライナ侵攻を開始して以降、ウクライナに武器を供与したEU加盟国は、この基金からの還付金を要請することができる。しかし、ハンガリーは、さまざまな問題があるとし、次回分の支払いを1年以上も阻止している。