ハリス氏、激戦州で集会 トランプ氏なら「混乱と憎しみの国」
7月23日、ハリス米副大統領は、バイデン大統領に代わって民主党の大統領候補者指名獲得の足場を固めてから初めてとなる選挙集会を激戦州ウィスコンシンで開き、共和党候補のトランプ前大統領を非難した。ウィスコンシン州ウエストアリスで撮影(2024年 ロイター/Kevin Mohatt)
Jarrett Renshaw Jason Lange
[ミルウォーキー 23日 ロイター] - ハリス米副大統領は23日、バイデン大統領に代わって民主党の大統領候補指名獲得の足場を固めてから初めてとなる選挙集会を激戦州ウィスコンシンで開き、共和党候補のトランプ前大統領を批判した。
17分間演説し、元検察官という自身の経歴に触れながら有罪評決を受けたトランプ氏を追及。当選すれば中絶のアクセス拡大、労働組合加入の容易化、銃による暴力問題に取り組むと述べ、リベラルな政策をアピールした。
ミルウォーキー郊外のウェスト・アリス・セントラル高校で数千人の支持者を前に「ドナルド・トランプはわれわれの国を後退させようとしている」と指摘。「自由と思いやりと法治の国に住みたいのか、それとも混乱と恐怖と憎しみの国に住みたいのか」と訴えた。
聴衆はハリス氏のボードを振って踊り、同氏がステージに上がると「カ・マ・ラ!」と、ハリス氏のファーストネームの大合唱が起こった。騒がしい雰囲気の集会はバイデン氏が比較的小規模で地味なイベントを開催していたのとは対照的だ。
ウィスコンシンはミシガン、ペンシルベニアと並び「ラストベルト(さびた工業地帯)」と呼ばれる3州の一つで、民主党がトランプ氏を負かすためには極めて重要な州となる。
集会に参加した19歳の大学生は、ハリス氏が若い有権者、特に同氏に究極の「ガラスの天井」を破ってほしいと願う女性有権者を再び活気づかせていると語った。
ハリス陣営は21日以降に1億ドルの資金を集めたと発表した。
<「手ごわくない」とトランプ氏>
一方、トランプ氏は同日、記者団との電話会見で、ハリス氏を打ち負かす自信があると表明。ハリス氏が2020年大統領選で民主党候補者指名獲得に名乗りを上げた際には最初の州の争いにも残ることができなかったと指摘。「もし彼女がこれまでのような選挙運動をするのであれば、それほど手ごわくはないだろう」と語った。
また、ハリス氏と討論会を複数回行う用意があるとし、「討論したい。(バイデン氏と)同じ政策なのだから違いはないだろう」と述べた。トランプ氏とバイデン氏は6月27日に続き、9月10日にも討論会を行う予定だった。
こうした中、米紙ワシントン・ポスト(WP)はシークレットサービス(大統領警護隊)がトランプ陣営に対し、屋外での集会開催をやめるよう促していると報じた。警護隊とトランプ陣営のコメントは得られていない。