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ハンガリー首相、中国主席とウクライナ和平協議 ロシアに続き

2024年07月09日(火)06時57分

7月8日、 ハンガリーのオルバン首相は中国を訪問し習近平国家主席と会談した。写真は同日、北京で会談する両首脳(2024年 ロイター/China Daily)

Joe Cash Anita Komuves

[北京/ブダペスト/ワシントン 8日 ロイター] - ハンガリーのオルバン首相は8日、中国を訪問し習近平国家主席と会談した。ハンガリーが今月初めに輪番制の欧州連合(EU)議長国に就任して以降、オルバン氏は「平和使節」と称してウクライナとロシアを訪問しており、中国は3カ国目となる。

今週は、ワシントンで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれ、ウクライナ支援が議題になる。またインドのモディ首相が8─9日の日程でロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する予定だ。

中国国営メディアによると、オルバン氏と習氏は北京の釣魚台国賓館で会談。ロシアの侵攻が続くウクライナ問題を話し合った。会談は、習氏が欧州歴訪でハンガリーを訪問した5月以来。

中国は5月、ロシアとウクライナの紛争終結に向け、ブラジルと共同で6項目の和平案を示した。

習氏は会談で「国際社会は双方の直接対話と交渉の再開に向けた条件を整え、支援を提供すべきだ」とし「早期停戦による政治的解決を模索することは、全て当事者の利益になる」と述べた。

オルバン氏は、わずか2カ月後に習氏と再び会談することについて「中国が、ロシア・ウクライナ戦争の和平条件を作り出す上で重要な国」だからだと説明した。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、オルバン氏がロシアとウクライナの紛争についてそれぞれの立場を明確にしたとして謝意を表明した。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領はオルバン氏が仲介役になることはできず、その任務は中国、米国、欧州連合(EU)など世界の列強のみが遂行できると述べた。

米ホワイトハウスはオルバン氏の訪中に懸念を表明した。

<経済的思惑>

EUの対中国政策が厳しくなる中、ハンガリーは貿易・投資で中国の重要なパートナーになっている。

EUの中国製電気自動車(EV)への追加関税に対抗し、中国は欧州産豚肉への反ダンピング(不当廉売)税賦課をちらつかせているが、ハンガリーの国営メディアによると、シーヤールトー外務貿易相は中国への豚肉・鶏肉の輸出再開について交渉したと述べた。

オルバン氏の3カ国訪問には、欧州連合(EU)内で独断専行との批判が出ているが、習氏はオルバン氏に、「(ハンガリーが)中国・EU関係の健全で安定した発展促進に積極的な役割を果たす」ことを期待していると述べた。

ドイツのハーベック副首相は8日、オルバン氏は欧州を代表しておらず、ハンガリーの政治はEUの意見の中核を代表していないことが多いと述べた。

ロイター
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