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イタリアで再び連立模索、経済相候補差し替え=関係筋
5月30日、イタリアの大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と右派の「同盟」は、経済相候補を差し替えて再び連立政権の樹立を目指している。写真中央は、五つ星運動のディ・マイオ党首。ローマで24日撮影(2018年 ロイター/Tony Gentile)
[ローマ 30日 ロイター] - イタリアの大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と右派の「同盟」は、経済相候補を差し替えて再び連立政権の樹立を目指している。五つ星運動の関係者が30日、明らかにした。また別の右派政党「イタリアの同胞」も連立政権に加わる可能性があると明らかにした。
マッタレッラ大統領は先週末、ユーロ懐疑派エコノミストであるパオロ・サボーナ氏の経済相起用を拒否した。これを受けて、五つ星運動と同盟が首相に推したジュセッペ・コンテ氏は組閣を断念した。
関係筋は、両党が経済相の人選について「別の候補者で妥協点を探っている」ことを明らかにした。
だが「同盟」を率いるマッテオ・サルビーニ書記長は、このアイデアに冷水を浴びせる形でイタリアはできる限り早急に選挙を行うべきだと主張。「投票は早ければ早いほど良い。この窮地や混乱を抜け出す最良の方法だからだ」と指摘した。
ただ、7月末の再選挙はイタリア国民に悪影響を及ぼすものになると指摘。マッタレッラ大統領に対し「どうすればこの状況から脱却できるのかを説明すべき」と訴えた。
他方で、サルビーニ氏の主席顧問であるジャンカルロ・ジョルジェッティ氏は、「同盟」はサボーナ氏の経済相起用断念に対する準備をしていないため、マッタレッラ大統領との現状打開は難しいと主張。「3日前に可能でなかったのなら、いま可能であるとは考えにくい」と述べた。
大統領と五つ星運動/同盟の間で予想に反して急進展があれば、不透明感は弱まる見込みだ。ただ引き続き、支出を増やし、欧州連合(EU)やユーロ圏の財政規約の変更を目指す方向にはつながるとみられる。
イタリアの暫定首相に指名された国際通貨基金(IMF)元高官のカルロ・コッタレッリ氏は、連立政権が成立する可能性はあるとの見方を示した。現地の通信社が伝えた。同氏は2日前に指名を受けたが、主要政党からの支持は集まっていない。
「同盟」の関係筋は、起こり得る緊急事態に対処するために早急な政治的解決策を実行することを妨げることはないとの意向を示唆した。「緊急事態」が具体的に何を指すのかについては触れなかったものの、金融市場は政治的混迷を受けて大きく混乱している。
*内容を追加します。