ニュース速報

ワールド

中国、米製品106品目に対し新たな関税発表 輸入規模500億ドル相当

2018年04月04日(水)19時52分

 4月4日、中国財政省は、大豆、自動車、化学製品、一部航空機、トウモロコシ製品など農産物を含む米製品106品目に対し、25%の追加関税を課すと発表した。写真は、米国からの輸入品を示すサイン。上海のスーパーマーケットで撮影(2018年 ロイター/Aly Song)

[北京/ワシントン 4日 ロイター] - 中国財政省は4日、大豆、自動車、化学製品、一部航空機、トウモロコシ製品など農産物を含む米製品106品目に対し、25%の追加関税を課すと発表した。商務省が発表した声明によると、対象品目の2017年の輸入規模は500億ドルに相当する。

これは米通商代表部(USTR)が3日明らかにした対中関税の対象輸入品目と同じ規模だ。発動日は米国の動向次第となっている。

財政省は、このほかウイスキー、葉巻、たばこ、一部の牛肉製品、潤滑油、プロパン、その他プラスチック製品などにも追加関税がかけられると明らかにした。

また米国産のオレンジジュース、一部のモロコシ製品、綿、一部小麦、トラック、一部のスポーツ用多目的車(SUV)や電気自動車も新たな関税の対象になるとした。

キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンズ・プリチャード氏は「中国がそれほど強く反応せず、摩擦の激化を避けるとの見方があった。中国の反応は一部の人々にとって驚きだ」と指摘。ただ、米中双方ともに関税の発動には至らないとの期待もあると述べた。

コメルツ銀行のコモディティーアナリスト、カルステン・フリッチュ氏は「今回は本当のゲームチェンジャーだ。貿易摩擦を、象徴的なものから、米国の農産物輸出に本当に打撃を与えかねない措置に転じさせることになる」と語った。

中国の発表を受け、世界的に金融市場が動揺。米株価指数先物は1.5%安、米大豆先物は約5%安。ドル相場は一時的に下げ幅を拡大したほか、オフショア人民元相場も下落した。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中