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NY市場サマリー(28日)ドル下落、利回り急低下 株大幅下落 

2025年03月29日(土)06時18分

<為替> ドルが下落した。トランプ米大統領が来週予定する相互関税の発表を控え、経済成長への懸念が高まる中、安全資産の円に資金が流入した。

トランプ大統領が今週初め、4月2日に予定する関税の一部は、一部の国については減免する可能性があると表明したことを受け、市場では楽観的な見方が広がったものの、朝方発表された経済指標を受け、インフレ再燃への懸念が高まった。

米商務省が発表した2月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇し、市場予想と一致した。米経済の3分の2以上を占める個人消費が予想を下回る回復にとどまるとともに、基調的な物価圧力の高まりが示された。

また、米ミシガン大学が28日発表した消費者調査で、5年先の期待インフレ率は4.1%と、1993年2月以来の高水準となった。

ドル/円は0.69%安の150.01円。1日の下落率としては今月3日以来の大きさとなる見込みとなった。

ユーロは0.2%高の1.0823ドル。

ドイツ連邦雇用庁が発表した3月の失業者数(季節調整済み)は前月比2万6000人増の292万人と、昨年10月以降で最大の増加を記録した。

ポンドは0.09%安の1.2935ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.03%安の8万3783ドルとなった。  

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが急低下した。トランプ大統領の関税政策が経済成長にマイナスの影響を与える可能性と、米連邦準備理事会(FRB)の目標を継続的に上回るインフレを材料視した。

トランプ大統領が来週導入する予定の相互関税も引き続き市場に大きな影を落としており、投資家は最終的な輸入関税の範囲を巡って不安を抱いている。

LSEGによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場ではFRBがより緩和的な政策を取るとの見方が強まった。今年の利下げ幅見通しは約73ベーシスポイント(bp)と、PCE発表前より約10bp拡大した。

指標10年債利回りは4.255%で、前日比11bp超低下。1日の低下幅としては2月13日以来の大きさとなった。

2年債利回りは約9bp低下し3.908 %と、2週間ぶりの低水準となった。1日の低下幅としては3月10日以来の大きさを記録した。

2年債と10年債の利回り格差は約34bpだった。 

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 大幅下落して取引を終えた。トランプ大統領が来週予定する相互関税の発動を控える中、朝方発表された米指標から成長鈍化とインフレ高進への懸念が高まった。大手テック企業が売られた。

アップルは2.7%、マイクロソフトは3%、アマゾン・ドット・コムは4.3%、それぞれ下落した。

週足では、S&P500が1.5%、ナスダックが2.6%、ダウ工業株30種が約1%、それぞれ下落。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は約3ポイント上昇し、1週間ぶりの高水準を付けた。

4月3日に予定される自動車への最大25%の関税発動を控え、自動車銘柄は圧迫され、ゼネラル・モーターズは1.1%、フォード・モーターは1.8%、それぞれ下げた。

その他の銘柄では、カナダのスポーツ衣料品大手ルルレモン・アスレティカが14%安。27日発表した2025年度通期決算(25年2月―26年1月)の業績予想は売上高、希薄化後の1株当たり利益ともに市場予想を下回った。

産金会社のハーモニー・ゴールド・マイニング、ゴールド・フィールズは9.5%と4.5%、それぞれ上昇。金価格の上昇を受けた。

S&Pでは値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.5対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は143億株。直近20営業日の平均は162億株。 

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物 相場は上伸。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比23.40ドル(0.7 6%)高の1オンス=3114.30ドルと、前日に続いて史上最高値を更新した。 

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、景気先行き不透明感がくすぶる中を、3日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は前日比0.56ドル(0.80%)安の1 バレル=69.36ドル。週間では1.58%高だった。プラスでの越週は3週連続となった。6月物は0.59ドル安の68.90ドル。 

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ロイター
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