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インタビュー:円債投資、超長期から10年物に軸足シフト 金利上昇で=住友生命社長

2025年03月25日(火)07時08分

住友生命保険相互会社の高田幸徳社長はロイターとのインタビューで、日本国債への投資について、足元で金利が急速に上昇している10年物を買い増す方針を示した。3月10日、都内で撮影(2025年 ロイター/Miho Uranaka)

Miho Uranaka

[東京 25日 ロイター] - 住友生命保険相互会社の高田幸徳社長はロイターとのインタビューで、日本国債への投資について、足元で金利が急速に上昇している10年物を買い増す方針を示した。これまでの購入は超長期債が中心で長期債はわずかだったが、新規制導入に向けたデュレーションマッチがほぼ完了していることもあり、10年程度の債券に軸足を移していく。長期で確実にリターンが得られる保険商品の提供も積極化する。

金融庁は今年、国内の保険会社に対し、財務状況の透明性を高める新たな資本規制を適用する。長期の保険契約を持つ保険会社は、年限差による金利変動リスクを受けて健全性の指標が振れやすくなるのを抑制するため、資産と負債の平均残存期間の年限差を縮める(デュレーションマッチ)必要がある。今まで以上に財務の健全性の確保が求められる中、住友生命によると、規制導入に備え数千億円分の超長期債を買い増してきた。

高田氏は「デュレーションマッチは、ほぼ完成形に近い、良い形になってきた」とした上で、今後は「20年、30年の超長期ではなく、10年辺りの足元で金利が高くなってきた年限のものを、タイミングを見て購入していく」と述べた。

超長期金利も上昇しているため利回り動向をみながら判断していくことにはなるが、指標となる新発10年物国債利回り(長期金利)が一時1.575%と2008年以来の高水準を付けるなど「10年債の方が現実的に投資しやすい」と指摘。基本的にはミドルリスク・ミドルリターンを狙いながら、新発・既発債含め年限10年程度の買い入れを増やしていくという。

外貨建て資産は金利低下が予想されることから、「円建てクレジットに資金を投入し、シフトしていく」とも話した。円建ての事業債はほとんどないため、海外の事業会社が外貨建てで発行した債券に通貨スワップを組み合わせた「通貨スワップ付外貨建事業債」に投資する。為替リスクを抑制し、円ベースで安定したキャッシュフローを受け取ることでリターンを狙うという。

<長期で確実なリターン得る商品提供>

政府が資産運用立国の推進を掲げる中、個人の資産形成への関心は高まっている。住友生命は10日、投資未経験者の若年層を対象に、投資よりもリスクが少なく、貯金よりも資産が増える保険商品を発売した。いつ解約しても払込保険料を上回る返戻金を受け取れる上、満期(10年)の返戻率は106.1%と大手銀行の預金より高い。

営業職員を介さずデジタルでスマホで簡単に申し込みが完結するため、販売に人手を介すことでかさむ経費を省き、それを還元するという。

高田氏は、投資には不慣れだが「『貯金よりはもうちょっと』という若い世代を掘り起こしたい」とし、今後も「あくまで保険商品として長期の安定運用、長期で確実なリターンが得られる商品を提供していく」との方針を示した。

※インタビューは10日に実施しました。

ロイター
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