午後3時のドルは150円前半へ下落、日米金利差縮小の思惑やリスク回避

2月20日、午後3時のドルは、前日ニューヨーク市場の終盤から約1円ドル安/円高の150円前半で取引されている。2022年撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Atsuko Aoyama
[東京 20日 ロイター] -
午後3時のドルは、前日ニューヨーク市場の終盤から約1円ドル安/円高の150円前半で取引されている。米金利低下と国内金利の上昇に伴う日米金利差縮小の思惑や、株安などによるリスク回避の流れが背景にある。米関税懸念やウクライナ停戦協議の不透明感でユーロも買いづらいなか、円の強さが目立った。
きょうは実需の売買が集中する五・十日に当たり、仲値公示にかけては一定のドル買い需要が支えとなったが、重要な支持線として意識されていた7日安値の150.93円を下抜けてからは急速に下げ足を速めた。
「朝方からドル/円、クロス円全般的に海外勢の売りが出ていたこともあり、(仲値を過ぎてからは)ストップロスを巻き込みながら下げが加速した」(国内銀の為替セールス担当)という。午後に入ってからも、日経平均などアジア全般の株安をながめて「リスク回避のドル売り/円買いが再燃」(為替ブローカー)した。
前日公表された1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、バランスシートの縮小、いわゆる量的引き締め(QT)について一時停止、または減速させるとの議論が出ていたことが明らかになった。これを受けて前日は米金利が低下し、ドルが対円で売られる展開となった。
米関税懸念やウクライナ停戦協議の不透明感でユーロも買いづらいなか、東京市場でも「円の強さが目立った。日銀が利上げ方向で円の先高観も強まっている」(為替ブローカー)という。
セントラル短資FXの市場業務部専任部長、富永貴之氏は150円が次の心理的な節目となるほか、昨年12月3日の安値である148.65円を視野に下押しする可能性があるとの見方を示した。
富永氏は、複数の材料が混在する中、ウクライナ停戦協議や米関税政策の経済への影響などリスクオフの流れを少しずつ織り込む形でドル買いの圧縮が進んでいるとして、「ドル一強の状況をいったん整理し出しているような動きになっている」と話した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 150.40/150.4 1.0427/1.04 156.84/156.8
1 28 5
午前9時現在 151.22/151.2 1.0420/1.04 157.59/157.6
3 22 0
NY午後5時 151.47/151.4 1.0422/1.04 157.87/157.8
8 24 9