英賃上げ率3%、21年以来の低水準に=ブライトマイン調査

英人事データ企業ブライトマインが19日発表した調査によると、英国の今年1月までの3カ月間の賃上げ率(中央値)は3%となり、2021年以来の低水準となった。写真は2024年7月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Hollie Adams)
[ロンドン 19日 ロイター] - 英人事データ企業ブライトマインが19日発表した調査によると、英国の今年1月までの3カ月間の賃上げ率(中央値)は3%となり、2021年以来の低水準となった。昨年12月までの3カ月間は3.3%だったが、経済的圧力にさらされている雇用主が賃上げをより押さえ込もうとしているのを示した。
ブライトマインは、雇用主の社会保障負担増が今後数カ月先の賃金決定にさらに影響を及ぼす可能性があるとも指摘した。
雇用主は、英国の最低賃金が7%弱引き上げられる今年4月以降に雇用主の社会保障負担を引き上げる政府の計画により、雇用と賃金の伸びが抑えられると指摘した。
英国家統計局によると、英国の賃金上昇率は2024年終盤に加速。一方、イングランド銀行(中央銀行)は景気低迷が労働市場に重くのしかかる中で、賃金上昇率が近いうちに鈍化すると予想している。
また、ブライトマインの調査によると24年の離職率は前年比でほぼ横ばいだったものの、雇用主の3分の1超は離職率が高過ぎると懸念している。
ブライトマインのシーラ・アットウッド氏は「離職率は安定化したものの、給与支給額が停滞し、仕事量やキャリアアップに対する懸念が続いていることが重なり、25年後半には退職者が増加する可能性がある」とし、「雇用主は不本意な離職を避けるため、コスト管理と競争力のある水準の給与支給、その他の雇用維持策のバランスを取る必要があるかもしれない」との見解を示した。