ニュース速報
ビジネス

ドイツの都市財政が悪化、低成長や社会保障支出増で=調査

2025年02月18日(火)13時59分

2月17日、 ドイツの都市自治体の全国組織、ドイツ都市会議が公表した調査結果によると、低成長と社会保障支出の増大により、同国の都市は厳しい財政状況に直面しており、今年は多くが財政赤字に陥る見通しだ。写真はドイツ中部ライプチヒ。昨年5月撮影(2025年 ロイター/Annegret Hilse)

[ベルリン 17日 ロイター] - ドイツの都市自治体の全国組織、ドイツ都市会議が17日公表した調査結果によると、低成長と社会保障支出の増大により、同国の都市は厳しい財政状況に直面しており、今年は多くが財政赤字に陥る見通しだ。

調査では、主要都市の37%が今年は財政収支を均衡させられないとの見通しを示し、47%は予備費に頼ると答えた。

今後5年間の財政を楽観視している都市はわずか2%と、過去5年間の64%から急減。約半数は財政悪化を予想しており、スタッフやサービスが削減されたり、インフラ計画が頓挫したりする恐れがある。

都市会議のマルクス・ルーエ会長は記者会見で「都市財政が均衡していた時代は終わった。問題は構造的であり、都市自体の落ち度ではない」と発言。次期連邦政府は税収の公平な分配や、連邦政府が都市に委託する施策への十分な資金手当て、財政赤字に上限を設ける「債務ブレーキ」の見直し等を通じて早急に都市財政の崩壊を防ぐべきだと訴えた。

都市会議によると、都市の社会保障支出は昨年12%も急増し、児童と若者の福祉コストは過去10年で倍増している。終日の託児サービスなど連邦・州政府が都市政府に義務付けている施策について十分な資金手当てが成されていないほか、難民の大量流入も児童、若者、失業、社会保障関連の支出増につながっていると都市会議は説明した。

ドイツは外国との競争激化やエネルギー価格と金利の上昇などから昨年は2年連続でマイナス成長に陥り、今年もマイナス成長が予想されている。約1週間後に迫るドイツ総選挙は経済悪化が最大の争点で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に躍進すると予想されている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国副首相が米財務長官と会談、対中関税に懸念 対話

ビジネス

アングル:債券市場に安心感、QT減速観測と財務長官

ビジネス

米中古住宅販売、1月は4.9%減の408万戸 4カ

ワールド

米・ウクライナ、鉱物協定巡り協議継続か 米高官は署
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中