ステランティス、伊工場でHV用部品製造 EV需要低迷で切り替え

2月17日、欧米自動車大手ステランティスは、イタリア南部のテルモリ工場でハイブリッド車(HV)用の電動デュアル・クラッチ・トランスミッション(eDCT)を製造する計画を発表した。写真は同社のロゴ。フランスのシャルトル=ド=ブルターニュで昨年9月撮影(2025 ロイター/Stephane Mahe)
[ミラノ 17日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスは17日、イタリア南部のテルモリ工場でハイブリッド車(HV)用の電動デュアル・クラッチ・トランスミッション(eDCT)を製造する計画を発表した。テルモリ工場は、フランス拠点の電気自動車(EV)向け電池メーカー、オートモーティブ・セルズ・カンパニー(ACC)がEV用電池の製造拠点として確保していた。
ACCがEV用バッテリーを製造するために建設を計画していた欧州の「ギガファクトリー」3カ所のうち、フランスではすでに操業を開始したものの、イタリアとドイツでの計画は昨年、正式に停止が発表された。同社はEV需要の低迷を受け、低コスト電池の製造に切り替えている。
ACCに25%出資する仏石油大手トタルエナジーズの最高経営責任者(CEO)は今月、ACCは仏工場のみに注力すべきだと主張。イタリアとドイツのギガファクトリー建設計画が最終的に白紙になる可能性を示唆していた。
ステランティスは17日の声明で、HVの主要部品であるeDCTを2026年からテルモリ工場で製造し、HVの製品ライン拡大に役立てると明かした。
イタリア機械工業労働者連合(UILM)は、eDCTの製造により、テルモリ工場の従業員1800人のうち約300人に雇用機会が与えられるとして、この発表を歓迎した。