サッポロ、取締役選任の株主提案に反対表明 不動産事業絡み
Shiho Tanaka Kentaro Okasaka
[東京 17日 ロイター] - サッポロホールディングスは17日、筆頭株主の投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズが求めている取締役の選任について、取締役会として反対を表明した。
3Dは、サッポロに求める不動産事業の切り離しや切り離しで得た資本の分配が「企業価値に対して決定的かつ不可逆的な影響」を及ぼす意思決定になると認識。しかし、現在の体制では資本規律や取締役会の監督機能・透明性に疑義があると主張し、ポール・ブロフ氏を取締役に選任するよう提案していた。ブロフ氏は東芝の社外取締役を務めた経験を持ち、同氏の経験を生かして資本配分の最適化を実現できるとしている。
これに対しサッポロは、同社が目指す中長期的な企業価値向上と株主の利益のためには「現在の取締役体制が最適」だとして、株主提案に反対すると説明した。
サッポロは昨年2月に発表した中期経営方針で、不動産事業に外部資本を入れるなどして保有形態を多様化する方針を表明。今月14日には、連結子会社のサッポロ不動産開発の株式譲渡を通じ、外部の戦略パートナーの傘下で企業価値を高めていく方法などを検討していくと表明した。昨年9月以降、国内外の事業会社やファンド10社以上から提案を受けており、年内をめどに結論を出す方針。