ニュース速報
ビジネス

連続利下げは反対、長期的には制約的水準を=マン英中銀政策委員

2025年02月12日(水)00時21分

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のマン委員は11日、6日の金融政策委員会で0.5%の大幅利下げを主張したことは、連続利下げを望んでいるとか3月にも同様の投票を行うという意味ではないと述べた。写真は3日、ロンドンの英中銀で撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)

David Milliken

[ロンドン 11日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のマン委員は11日、6日の金融政策委員会で0.5%の大幅利下げを主張したことは、連続利下げを望んでいるとか3月にも同様の投票を行うという意味ではないと述べた。

マン委員の投票は投資家にとって驚きだった。投資家はマン委員を「超タカ派」とみなしていたためだ。

マン委員はこの日、イングランド北部のリーズ・ベケット大学で講演し、依然として金融引き締め政策は必要だと述べた。英金利の長期均衡水準はイングランド銀の投資家調査で示された3.0─3.5%の範囲の上限にあるとの見方も示した。

マン委員は、英国経済の根強い弱さがインフレを押し上げる要因となったため、これまで金利を据え置くことに投票したという。

「こうした構造的障害は現在の経済において依然として顕著だ」としながらも、消費者需要の弱さや労働市場の急激な悪化のリスク、企業の価格決定力の弱まりを示す多くの証拠が蓄積されたと判断し、利下げ反対を取り下げた。0.5%利下げに賛成票を投じることは、金融市場にこのことを知らせる最も明確な方法だとした。

一方、「私は今回0.5%を選択したが、将来的にも制約的な姿勢を継続し、長期的には高めの金利水準を維持することで『ノイズを排除する』ことを選んだ」とし、大多数の政策立案者が好む漸進的アプローチを拒否したと述べた。

また金利の「制約的水準」を継続するという自身の方針は、「インフレの山を抜ける過程で、短期的にも長期的にも(インフレ)期待が安定していることを保証する」と述べた。

イングランド銀行は6日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ4.50%とした。利下げは市場予想と一致したが、マン委員とディングラ委員の2人が0.5%の大幅利下げを主張したことはサプライズとなった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ大統領、ロシア西部州との領土引き換え案提

ワールド

メキシコ、米の鉄鋼・アルミ関税「不当」 と反発

ワールド

オープンAI「売り物でない」、マスク氏の買収提案に

ワールド

フーシ派、イスラエルへの攻撃を開始する用意 ガザ戦
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザ所有
特集:ガザ所有
2025年2月18日号(2/12発売)

和平実現のためトランプがぶち上げた驚愕の「リゾート化」計画が現実に?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 2
    2025年2月12日は獅子座の満月「スノームーン」...観察方法や特徴を紹介
  • 3
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップルは激怒
  • 4
    世界のパートナーはアメリカから中国に?...USAID凍…
  • 5
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 6
    0.39秒が明暗を分けた...アルペンスキーW杯で五輪メ…
  • 7
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 8
    極めて珍しい「黒いオオカミ」をカメラが捉える...ポ…
  • 9
    便秘が「大腸がんリスク」であるとは、実は証明され…
  • 10
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 3
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 4
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 5
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 6
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 9
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 10
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中