ニュース速報
ビジネス

英中銀は利下げ「慎重」に、賃金動向を警戒=ピル氏

2025年02月08日(土)00時44分

イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は7日、今年予想されるインフレ率の上昇は二次的な物価上昇圧力にはつながらないと述べた。2023年9月撮影(2025年 ロイター/Suzanne Plunkett)

David Milliken Suban Abdulla

[ロンドン 7日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は7日、今年予想されるインフレ率の上昇は二次的な物価上昇圧力にはつながらないと述べた。同時に、このところの賃金上昇を受け、利下げに「慎重」に対応する必要があるとの考えを示した。

英国立統計局(ONS)が先月発表した2024年9─11月の民間部門の賃金統計によると、民間部門の平均週給は6.0%上昇と、同年2月以来の高い伸びを記録した。

ピル氏はこれについて、「やや変則的」なものだったと指摘。ただ、賃金を巡る他の指標もインフレ率が目標である2%に戻るのに見合う水準よりも高い水準で停滞しているように見えるとし、「利下げを進めるにあたり、慎重かつ注意深く行動しなければならない根拠になる」と述べた。

英国の基調的な物価上昇圧力については、正しい方向に向かっていると指摘。「中銀金融政策委員は全体として、ディスインフレは進行しており、金利を引き下げることができるという認識で一致している。どの水準まで、どの程度の速さで引き下げるかが問題になっている」と語った。

英中銀は6日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ4.50%とすることを決定。2委員が0.5%ポイントの利下げを主張したが、ピル氏は0.25%ポイントの利下げを支持した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米1月雇用者14.3万人増、予想下回る 失業率4%

ワールド

日米首脳が初会談、対日貿易赤字やUSスチール買収な

ワールド

米助言会社ISS、アップルへの多様性方針撤回要求に

ビジネス

米国のインフレ高止まり、労働市場は健全=クーグラー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ドラマは是枝監督『阿修羅のごとく』で間違いない
  • 3
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮兵が拘束される衝撃シーン ウクライナ報道機関が公開
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 6
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 7
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 8
    ドイツ経済「景気低迷」は深刻......統一後で初の3年…
  • 9
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 10
    連邦政府職員を「ディープステート」として国民の敵…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 6
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 7
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 8
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 9
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 10
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中