ニュース速報
ビジネス

ESGファンドへの資金流入、2024年は半減=モーニングスター

2025年01月28日(火)10時24分

モーニングスター・サステイナリティクスは27日、世界の環境・社会・統治(ESG)ファンドへの資金流入が2024年は約半分に減少したと発表した。写真は2024年10月、英ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Hollie Adams)

Virginia Furness

[ロンドン 27日 ロイター] - モーニングスター・サステイナリティクスは27日、世界の環境・社会・統治(ESG)ファンドへの資金流入が2024年は約半分に減少したと発表した。欧州ではESGファンドの閉鎖が新規設定を上回った。ESGに否定的な考え方やESGファンドの低調なリターンにより、ファンドの魅力が低下したことが背景。

昨年第4・四半期には欧州のパッシブ運用ファンドを中心にESGファンドへ185億ドルの資金が流入したが、その後は低調な運用成績や欧州における規制強化、米国でのESGに反対する動きを受け、投資家や資産運用会社がESGファンドから離れた、とモーニングスター・サステイナリティクスは分析した。

24年はESGファンドへの資金流入が360億ドル減少し、流入額は18年以降で最低となった。

昨年は特に、高金利がクリーンエネルギー株など環境関連株を圧迫した上、環境保護に懐疑的などドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利するなど、ESGファンドには逆風が吹いた。

こうした状況下、昨年は欧州ではESGファンドが買い越された一方、米国では196億ドルの売り越しとなった。

欧州では規制当局が、企業が環境に配慮したように見せかける「グリーンウォッシング」への取り締まりを強化したことで、ESGファンドを閉鎖したり、ファンドの運用方針からESG重視を外したりする動きが見られた。

欧州では昨年、約351本のESGファンドが閉鎖もしくは統合され、115本のファンドは運用方針からESGに関連した項目を削除した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

4000─5000億ポンドの準備金維持を、銀行新規

ワールド

EU、ロシア産アルミ禁輸など提案 制裁第16弾=文

ワールド

米大統領特使、イスラエル首相と会談 ガザで停戦視察

ワールド

オープンAIアルトマン氏、来週インド訪問 高官と面
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? 専門家たちの見解
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    女性が愛おしげになでていたのは「白い犬」ではなく.…
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    AI相場に突風、中国「ディープシーク」の実力は?...…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 6
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 10
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中