外国人の新興国市場投資、昨年は2735億ドルの流入超=IIF
国際金融協会(IIF)が24日公表した暫定的な集計結果によると、外国人による2024年の新興国市場投資は2735億ドルの流入超過となった。写真はロンドン証券取引所の株価ボード。ロンドンで2019年撮影。(2025年 ロイター/Henry Nicholls/Pool/File Photo)
Rodrigo Campos
[ニューヨーク 24日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)が24日公表した暫定的な集計結果によると、外国人による2024年の新興国市場投資は2735億ドルの流入超過となった。流入超過額は前年の1774億ドルを1000億ドル近く上回ったが、2019―21年平均の3750億ドルには届かなかった。
流入先の大半を債券が占め、このうち中国以外は2190億ドル、中国は542億ドルだった。一方、株式は中国が113億ドルの流入だったのに対し、中国以外は110億ドルの流出だった。
昨年は大半の期間で米経済の成長とドル高が新興国市場投資にとって逆風となった。米連邦準備理事会(FRB)が25年の利下げ見通しを後退させたことがドルを押し上げた。
IIFのエコノミストのジョナサン・フォータン氏は「24年を通じて、強いドルと高水準の米利回りが新興国市場の株式や一部債券市場にとって強い逆風になった。ただ、FRBが今後数カ月以内に利下げのシグナルを出せば流れが逆転する可能性がある」と指摘。「新興国市場にとってはFRBのハト派的な動きが不可欠な追い風になるが、株式市場が持続的に回復するには世界的な成長見通しがさらにはっきりして、中国など主要市場で的を絞った政策が導入される必要がありそうだ」と述べた。
昨年12月単月では144億ドルの流入超過。インド、ブラジル、サウジアラビア、台湾の株式市場に資金が流入し、新興国市場全体でも株式が流入超過となった。地域別で最も流入額が多かったのは中南米の66億ドルで、続いてアジア新興国(53億ドル)、アフリカ・中東(17億ドル)、欧州新興国(11億ドル)だった。
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