エアバス、経営状態は想定より良好 リスクも=CEO
欧州航空機大手エアバスのギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は従業員に対するメモで、同社グループは昨年夏に利益目標を引き下げた際に懸念していたより良い状態で2024年を終えることができたと言及した。写真は同社のロゴ。フランスのサンナゼールで2023年11月撮影(2025年 ロイター/Stephane Mahe)
Tim Hepher
[パリ 21日 ロイター] - 欧州航空機大手エアバスのギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は従業員に対するメモで、同社グループは昨年夏に利益目標を引き下げた際に懸念していたより良い状態で2024年を終えることができたと言及した。一方で、国際環境の悪化による事業へのリスク増大を警告した。このメモはトランプ米大統領が20日に就任する直前に従業員約15万人に送付した。
エアバスは今月、24年の納入数が766機だったと発表。目標の「約770機」にわずかに届かなかったものの、ライバルの米ボーイングを6年連続で上回った。
フォーリ氏は、防衛宇宙事業を手がける子会社エアバス・ディフェンス・アンド・スペースとエアバス・ヘリコプターズが24年に商業面で素晴らしい業績を達成したと述べた。ただ、同氏は両部門の防衛事業で欠かせない進展を求めるとともに、宇宙分野での最近の統合の動きが防衛部門にも波及する可能性を示唆した。また、戦略的選択肢の定義を狭め、新たなパートナーシップを加えた。
メモでは「わが社が最も苦戦している宇宙事業で、活動の統合や新たなパートナーシップの可能性も模索している」と説明した。
フォーリ氏はまた、エアバスは「憂慮すべき状況」に直面しており、出来事に迅速に対応する準備が必要だと指摘。「25年の幕開けにあたり、国際情勢が悪化し、複雑さを増していることは誰の目にも明らかだ。これが当社の活動に重しとなるリスクを増大させている」と述べた。
同氏は今月記者団に対し、「米国第一主義」を掲げる経済政策の一環として関税の適用を擁護してきたトランプ氏の在任中、欧州の航空宇宙企業は「非常に強力な」保護主義に備えることになるとの見方を示していた。