韓国が上場規制厳格化、株式市場の質・競争力向上へ
[ソウル 21日 ロイター] - 韓国金融委員会(FSC)は21日、上場規制を厳格化して株式市場の質と競争力を改善すると発表した。韓国株をより魅力的な投資先にする取り組みの一環だ。
FSCによると、これまでに国内上場企業数と時価総額は増加したが、それに質が伴っていない。「企業価値と潜在的な成長力の質的側面で言えば、わが国の株式市場の成長は比較的弱いと見なされてきた」という。
韓国政府は2024年2月に「企業価値向上プログラム」という名称で資本市場改革を実行すると表明。これは日経平均株価の最高値更新につなげた日本の努力にならったもので、いわゆる「コリア・ディスカウント(韓国株の過小評価)」を解消する狙いがある。
ただ主要指標の韓国総合指数(KOSPI)は24年を通じて10%近く下落し、主要アジア株でも最低クラスの成績にとどまるなど、投資家の期待に十分応えられていない。
こうした中でFSCは、新規株式公開(IPO)は目先の利益ではなく、企業価値に基づく投資判断に主導されるべきだと説明し、この目的達成のために(1)一定期間保有継続を約束する機関投資家への優遇措置(2)株価押し上げ目当ての零細企業による申請の制限(3)ブックランナーの責任と役割強化――といった対策を講じると述べた。
また時価総額や最低売上高といった上場基準をより厳しくし、猶予期間を短くすることで上場廃止のハードルも引き下げる。
過去5年を振り返ると、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの韓国株指数の上昇率は3.8%だったのに対して、米国株指数は83%、日本株指数は65%、台湾株指数は110%に達した。一方韓国の上場銘柄数は18%増の2478社だが、米国は3.5%増、日本は6.8%増、台湾は8.7%増だった。
FSCによると、規制改革は早ければ第1・四半期から、詳細の修正や準備期間を設けながら段階的に実施する。