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中国のアンチモン輸出、12月は急増 米国向けは低迷

2025年01月20日(月)18時59分

Amy Lv Lewis Jackson

[北京 20日 ロイター] - 中国税関当局が20日発表した2024年12月のアンチモン製品の輸出は前月比113%増の1721トンだった。増加は2カ月連続。

ただ、中国政府は昨年9月、米国が対中半導体規制を強化したことを受けて、アンチモンと関連品目の対米輸出を制限しており、米国向けの輸出は低迷が続いている。

アンチモンは弾薬、赤外線ミサイルといった軍用品のほか、バッテリー、太陽光発電設備などに使われる戦略金属。23年は世界の鉱山生産の48%を中国が占めた。

10月の輸出は前月比97%急減していたが、11月は3倍以上に増加していた。

ただ、12月の輸出は24年の月間平均である3219トンを大幅に下回っている。

輸出先のトップはタイとマレーシア。対米輸出は10月以降低迷している。9月は米国が輸出先のトップだった。

24年のアンチモン輸出は前年比24.1%減の3万8632トン。

情報プロバイダー、オーガスによると、輸出制限を受けて中国国内のアンチモン価格は10.5%下落。一方、欧州では57.3%値上がりしている。アナリストによると、欧州では中国の輸出減少で品薄感が強まっている。

オーガスのアナリスト、クリスティーナ・ベルダ氏は「地域間の価格差は大きく、欧州の価格は中国の約2倍となっており、密輸を助長する可能性がある」と指摘。

「25年は地政学的な緊張が市場の方向性を左右し、輸出制限の本格的な影響が出てくるだろう」と述べた。

ロイター
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