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インフレ抑制傾向が続く場合は早期利下げも=ウォラーFRB理事

2025年01月17日(金)02時57分

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は(写真)16日、インフレは引き続き緩和し、FRBは予想よりも早くより速いペースで利下げする可能性が高まるとの見方を示した。2024年10月撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)

Howard Schneider

[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は16日、インフレは引き続き緩和し、FRBは予想よりも早くより速いペースで利下げする可能性が高まるとの見方を示した。FRBの利下げペースがより緩やかになるとみる最近の市場の動きに逆行する認識を示した。    

ウォラー理事はCNBCで、インフレ率は目標である2%に近づいていると述べた上で「こうした数字が続くなら、今年前半に利下げが行われると考えるのが妥当だ。デフレーション傾向は続き、おそらく他の人が考えているよりも少し早く2%に近づくと楽観している」とした。インフレの動向次第では今年最大3─4回の0.25%ポイントの利下げがあり得るとも述べた。   

ウォラー氏は3月18─19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に言及し「インフレが抑制され、労働市場が堅調であれば、数カ月後に利下げ再開を検討できるだろう。3月の可能性を完全に排除することはできないと思う。大きな進展があれば、さらに踏み込むことも可能だ」と述べた。

次回FOMCは1月28─29日。間もなくFRB当局者はブラックアウト期間に入る。

その直前に出されたウォラー氏のハト派的コメントで、市場の期待は即座に変化した。

FRBは1月FOMCで政策金利を据え置くと予想されている。これまで投資家はFRBが6月まで金利を据え置き、年内の利下げは1回のみになると予想していたが、この日は年内2回の利下げの可能性が高まり、最初の利下げは早ければ5月にも実施されるとの観測が浮上。債券利回りも低下した。

FRBはまた、トランプ次期米政権の政策が今後数カ月間の経済動向にどのような影響を与えるか注視している。

ウォラー氏は、輸入関税の引き上げによる価格への影響は一時的なものと予想。「関税がインフレに大きな影響を与えたり、持続的な影響を及ぼすとは思わない」と述べた。

ロイター
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