英財政懸念で国債・ポンド急落、リーブス財務相に圧力
英国で今週に入り国債利回りが上昇し、1月9日にはポンド安が加速する中、リーブス財務相に支出削減を求める圧力が強まっている。2023年3月、ロンドン南部ルイシャムにある市場で撮影(2025年 ロイター/Hannah McKay)
William Schomberg David Milliken
[ロンドン 9日 ロイター] - 英国で今週に入り国債利回りが上昇し、9日にはポンド安が加速する中、リーブス財務相に支出削減を求める圧力が強まっている。
7─8日の英債券市場では、多額の借り入れなどを巡る懸念から国債が売られ、30年債利回りが26年ぶりの水準に上昇。9日も取引序盤に利回りが一段と上昇した。
英国では2022年に政府の「ミニ予算」を受けて市場に動揺が広がり、当時のトラス政権が辞任に追い込まれたが、今週の相場変動は当時より小幅にとどまっている。
ジョーンズ財務首席政務次官は議会で、英国債市場は「引き続き秩序ある形で機能」し、英国債への需要はなお強いと指摘。「緊急介入の必要はない」と述べた。
債券運用大手PIMCOは利回り上昇について、予算など英固有の要因もあるが、トランプ次期米大統領の就任を控えた米国債利回りの上昇が主要因だと指摘した。
英政府は昨年10月に発表した予算案で、景気支援に向け公共サービスやインフラへの投資拡大を打ち出した。その後、米大統領選でトランプ氏が勝利すると、各国で借り入れコストが上昇した。
こうした市場の変化を受け、投資家の間では英政府が計画する多額の借り入れと、増税による企業や経済への影響を巡り懸念が高まっている。
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