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アングル:今年注目される市場テーマと重要分野の見通し

2025年01月06日(月)10時32分

米国の政権交代は2025年の株式、債券、通貨に大きな影響を及ぼし、投資家がポジション再調整を迫られてもおかしくない。写真はトランプ次期大統領。2024年11月、テキサス州で代表撮影(2025年 ロイター)

Saqib Iqbal Ahmed

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 米国の政権交代は2025年の株式、債券、通貨に大きな影響を及ぼし、投資家がポジション再調整を迫られてもおかしくない。

そこで投資家が注視している市場のテーマや重要分野の概要と見通しを以下にまとめた。

◎米経済の例外的強さ

投資家の間では、米経済の例外的な強さは25年も持続するとの予想が一般的。しっかりした消費と底堅い労働市場を背景に、米国の経済成長の足場は他の多くの先進国よりも強固になるからだ。

米経済は、トランプ次期政権が打ち出す可能性がある法人減税を含めた税制措置がさらなる援護射撃になるだろう。そうした減税は議会の承認が必要だが、実現すれば企業収益と株式投資家の心理を支えてくれる。

対照的にユーロ圏経済は第3・四半期こそ想定より高い成長を見せたものの、先行きは依然としてさえない。それはトランプ次期政権が高額の輸入関税を導入し、中国との貿易摩擦が激化するとともに消費者心理が冷え込むことが原因だ。

カーソン・グループのグローバル・マクロ・ストラテジスト、ソヌ・バーグヘス氏は「25年は金融・財政政策面で追い風が吹く可能性を背景に、米国の経済成長が他の世界を上回ると見込んでいる」と述べた。

◎FRBはどう動くか

投資家が25年において最重要視しているのは、米連邦準備理事会(FRB)による利下げの幅とペースにほかならない。FRBは24年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決めたが、今後の利下げペースを緩める意向を示唆した。

株価はこれまで利下げ期待で押し上げられてきたとはいえ、このFOMC後に国債利回りが急騰。金利動向の先行きが株高の勢いに水を差す恐れが生じている。

◎ドルの王座

ドル弱気派は24年痛い目に遭い、大半の為替ストラテジストはドルの堅調が持続すると予想している。

24年を通じてドルは対主要通貨バスケットで7%上昇。その原動力となった相対的な米経済の強さや米国債利回り上昇などは引き続きドルを支える見込みである上に、トランプ次期政権の関税や保護貿易主義もドル高につながるだろう。

また米国で再び物価が上昇してFRBの利下げにブレーキをかけるとみられる一方、他の主要中銀は利下げを継続する中で、ドルは一段と上昇しそうだ。

ただドル高は、米国の多国籍企業の業績見通しに影を落としかねず、通貨安に見舞われる他国の中銀のインフレ退治に悪影響を与える可能性もある。

コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・スチャモッタ氏は「ドルがこの1年でまた目覚ましいほど上昇すれば世界経済の何かを破壊するかもしれない。しかし幾つかの大きな不確実性が存在し、米経済の例外的な強さもほぼ織り込まれている以上、さらなる(ドルの)アウトパフォーマンスは達成が難しいのではないか」と指摘した。

◎ボラティリティー

12月FOMCで示された今後の想定利下げ回数が以前より減少し、一時的に連邦政府機関の閉鎖が懸念された場面で米国株は急落し、いかにも安定しているように思われる市場がすぐに混乱する実情が垣間見えた。

複数のアナリストは「ボラティリティー・ショック」にいつ襲われてもおかしくないと警告する。

BofAグローバル・リサーチのアナリストチームは、第1次トランプ政権が発足した2017年のような株式市場の記録的なボラティリティーの低さが再現されるとは予想していない。

またニューバーガー・バーマンのグローバル債券・通貨運用チームでシニア・ポートフォリオマネジャーを務めるフレデリック・レプトン氏は「25年の金融市場におけるショック吸収役は外国為替になるだろう」と述べた。

◎暗号資産フィーバー

24年の暗号資産(仮想通貨)ビットコインとその関連株に対する投機熱は、25年に入っても衰えそうにない、というのがストラテジストの見方だ。

インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「24年は投機にとって記念すべき1年だった。その熱気が自己増殖しつつある」と指摘した。

ビットコインは12月、トランプ次期政権が暗号資産に有利な規制環境を推進するとの思惑から10万ドルの大台を超えて最高値を更新。関連株では大口のビットコイン保有で知られるマイクロストラテジーの株価が24年を通じて400%余り上昇した。

ロイター
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