米ULA、ロケット「バルカン」改良版開発を計画 スペースXに対抗
米ボーイングとロッキード・マーチンの合弁宇宙企業ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)はロケット「バルカン」の改良版の開発を計画している。資料写真、10月の打ち上げ(2024年 ロイター/Joe Skipper)
Joey Roulette
[オーランド 14日 ロイター] - 米ボーイングとロッキード・マーチンの合弁宇宙企業ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)はロケット「バルカン」の改良版の開発を計画している。低軌道衛星打ち上げ市場で競合する米実業家イーロン・マスク氏が率いるスペースXの大型宇宙船「スターシップ」に対抗する狙い。ULAのトリー・ブルーノ最高経営責任者(CEO)が12日、フロリダ州オーランドで開催された軍事宇宙会議の会場でロイターに明らかにした。
ULAは、収益性が向上している低軌道市場に照準を合わせたバルカンのモデルを開発したいと考えている。スペースXが同市場で衛星通信サービス「スターリンク」向けに何千基もの衛星を打ち上げているためだ。
バルカンはアマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏が率いるブルーオリジンのエンジンを搭載して、今年初めて2回の打ち上げを行った。
ブルーノ氏によると、ULAが低軌道市場向けに最適化したモデルとして用意した選択肢には、「バルカン・ヘビー」と呼ばれるバルカンのコアブースターを3つつなげたモデルが含まれる。
スペースXのスターシップは月や火星への有人ミッション用に設計されているが、同社はスターリンク衛星の低軌道への大規模な展開の加速にスターシップを使用する計画だ。
ULAはバルカンの派生モデルの開発について、スターシップが低軌道への衛星打ち上げを開始する時期までに完了すると見込んでいる。ブルーノ氏は、その時期は数年後になる可能性があるとの見方を示した。同氏は「その間、この特定の市場でマスク氏と対峙することはないだろう」と述べた。
ULAのバルカンは、アマゾンの衛星インターネット通信「カイパー」の配備でいくつかのミッションの予約を確保している。バルカンはスターリンクに対抗するアマゾンの戦略の重要部分を担っている。
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