中国成長率、5%未満でも容認できる 質を重視=人民日報
12月4日、 中国共産党機関紙・人民日報は社説で、中国は特定の成長率達成に固執していないとし、「スピード崇拝」の必要はないため5%未満の成長でも容認できるとの見解を示した。甘粛省酒泉の工場で10月撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)
[北京 4日 ロイター] - 中国共産党機関紙・人民日報は4日の社説で、中国は特定の成長率達成に固執していないとし、「スピード崇拝」の必要はないため5%未満の成長でも容認できるとの見解を示した。
中国政府は今年の成長率目標を「5%前後」に設定している。しかし不動産危機や地方政府の債務問題などにより、成長に弾みがついていない。9月下旬以降に打ち出した一連の景気刺激策は、これまでのところ成果が限られており、エコノミストは一段の政策支援が必要との見方を示している。
人民日報は、中国経済の質的な改善と適度な量的成長が焦点との認識を示した。
「スピード崇拝から脱却せず、やみくもに拡大し無差別にプロジェクトを立ち上げ続ければ、一時的に成長を押し上げたとしても将来の潜在成長力を枯渇させるという代償を払うことになる」と指摘した。
「努力の結果、成長率が5%から多少ずれても容認できる」との考えを示した。
世界経済の不安定性と地政学的不確実性の高まりに起因する経済リスクについても言及した。
「一部の国は中国に対する封じ込めと抑圧をエスカレートさせる可能性がある」と警告し、米国の対中輸出規制やトランプ次期米大統領の関税政策に警戒感を示した。
国内消費の伸びは「依然として弱く、投資を安定させることがますます困難になっている」と述べ、景気回復はまだ確かなものではないとした。