JAM、25年春闘で過去最大のベア要求へ 月額1万5000円以上
12月4日、日本の機械・金属関連を中心とする産業の組合員39万人を代表する、ものづくり産業労働組合「JAM」は、25年の労使交渉でベースアップ(ベア)の要求水準について、月額1万5000円以上を目指すことを明らかにした。写真は日本国旗。2016年2月、都内で撮影(2024年 ロイター/Toru Hanai)
Tetsushi Kajimoto
[東京 4日 ロイター] - 日本の機械・金属関連を中心とする産業の組合員39万人を代表する、ものづくり産業労働組合「JAM」は4日、25年の労使交渉でベースアップ(ベア)の要求水準について、月額1万5000円以上を目指すことを明らかにした。
JAM幹部によると、同昇給額は、1999年にJAMが結成されて以来最大の上げ幅となる。
定期昇給を含めた賃上げ総額は1万9500円以上を目指すとし、日本最大の組合組織である連合の目指す5%以上の賃上げ、中小企業も含めると6%以上の賃上げに向け、足並みをそろえるという。
JAMは、同春闘方針について来年1月に開催される中央委員会での正式決定を目指す。
春闘方針大綱によると、同組合単組の賃金構造維持分4500円に1万5000円以上を加え「人への投資」として 1万9500円以上とする。JAM幹部は、本当の狙いは昨年来の賃上げでむしろ広がった大企業と中小企業の間の「格差是正」だと付け加えた。
24年の春闘は大手上場企業を中心に30数年ぶりの高水準となる5.1%の賃上げを確保したが、中小企業では資源高や円安に伴う輸入物価高騰の価格転嫁が進まないところも少なからずある。
ベアは賃金カーブ全体を押し上げ、持続的な所得や個人消費増加につながるため、物価と賃金上昇の好循環の実現を目指す政府・日銀も注目している。